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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第三章 中層部編
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第18話 アルプスの出来事

 1985年12月25日…長野県の標高が高く、凍てつく寒さの中に小さな集落があった。そこにはまだ10歳の吉川とその両親と祖父母が家に集まり、クリスマスパーティーをしていた。吉川の母の腹の中には吉川の弟となる赤ちゃんがいた。弟は翌年の1986年3月に生まれる予定である。

 クリスマスと同時に幸子の誕生日であったため、当時に祝っていた。

 外では今までにないほどの猛吹雪が吹いていて時折家がきしむ音が聞こえる。幸子は若干外の天気を気にしていた。すると、窓から薄らと人影が見えた。

 「ねえママ、外に人がいるよ。」

 「こんな天気に?」

 母親は窓から外を見たが誰もいなかった。母親は気のせいだと思ったので気にせずに用意していたケーキを持ってきた。10歳の誕生日であるので10本のローソクが立っていた。幸子は思いっきりローソクに向かってローソクの火を消した。祖父達も喜んでいた。

 父親からは幸子が欲しかった熊のぬいぐるみをプレゼントした。幸子は物凄く喜んでいた。そんな中、テレビを見ると超能力者ウリ・ゲーラーのスプーン曲げをやっていた。幸子の家族では超能力を信じる派と信じない派に分かれていた。母と祖母は信じていたが、父と祖父は全く信じてなかった。幸子は信じる派でいたため、このウリ・ゲーラーのファンであった。ゲーラーはスプーンを曲げて見せた。幸子は凄いと喜んでいた。でも父はスプーン曲げは俺にも出来ると言って、思い切り力を入れてスプーンを曲げた。でも幸子はゲーラーは曲げる時力を入れてなかったからそれは違うと反論した。祖父は笑っていた。このようなことは日常でいつも超能力の話題が出ている。

 夜中になり、幸子はプレゼントの熊のぬいぐるみを抱いて寝ていた。そばには母親も寝ており、父と祖父は酔いつぶれて寝てしまっている。

 外では物凄い猛吹雪で視界も悪く自分の足元すら見えないほど酷い状態だった。しかし幸子はこれほどの状況なのになぜ天気のニュースにも何も言わないのかが不思議だった。

 母親はトイレで目が覚めて1階に降りた。すると、さっきまで荒れていた天気が一瞬にしておさまったのである。母は不思議そうに窓からそと除くと1人の男がこちらの家に近づいてきていた。その男はフードを被り顔が全く見えなかった。母は寒いからだと思い、特に怪しいとは思わなかったが、突然突風が吹いて玄関のドアが壊れてしまった。家の中が風や雪でごちゃごちゃになってしまった。母は急いでドアを塞ごうとしたが、風が強すぎて全く歯が立たなかった。そして近づいてきた男が土足で家に入り込んできた。その男はかなり大きな体つきで身長は190cmほどあり、筋肉もコートを着ていても分かるほどであった。母親はその男を止めようとしたが、その男は右手を横に振る。すると突然突風が吹いて母は家のそとまで吹き飛んでしまった。外は雪も降っているので雪も一緒に飛んでくるので尚更冷たく感じる。

 異変を感じた父と祖父は1階に降りてきた。その男は父と祖父も吹き飛ばしてしまった。

祖母も吹き飛ばされてしまい、最終的には家ごと吹き飛ばしてしまった。2階で寝ていた幸子もさすがに気が付いて下に降りようとしたが時は既に遅く、幸子も含めて家は木っ端微塵になってしまった。

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