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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第三章 中層部編
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第17話 中層部の実力

 あれから1週間が経った日曜日、M研の集合時間10時前の時に吉川がさとしの家に訪問しにきた。さとしはみゆらが来たと思い、玄関のドアを開けたが、そこには見知らぬ女性が立っていた。さとしは吉川に何の用か尋ねると、吉川は下層部3人について話してきた。さとしはまずいと察知し、逃げようとしたがさとしの体が動かなくなっていた。吉川は生きているものを10秒間筋肉を硬直させる能力を持っていた。さすがのさとしもこれは誤算であったが、この想定外の事態が起きることもさらに想定していたため、筋肉を硬直される直前に赤い色をした紙の切れ端を床に落とした。M研は自分の身に何かあったことを想定して、赤い色をした紙の切れ端を何かがあったその場に落とすことにしている。切れ端は1cm四方ほどで、ポケットに入っている。それをさとしは瞬時にポケットから取り出し、その場に落とした。しかし、硬直させられている間は能力も使えないので、何も出来ず、スタンガンで気絶させられた。吉川は車のトランクにさとしを押し込んでM部隊第3支部に連れて行こうとした。

 数分後にみゆが家にきたがさとしがいないことに気付く。そして玄関の床をよく見ると緊急時に放つ赤い紙の切れ端が落ちていた。みゆは急いで皆に連絡し、家に集合させた。

西村はパソコンを使ってさとしの携帯のGPSから、現在地を取得していた。現在地を取得するとまだそこまで離れていなかった。

 「まだ2kmも離れてない。恐らく車かなんかで移動しているか、連れさらわれたか。」

 西村は現在地を教えて、みゆがそれを追いかけることにした。さとしを乗せた車はさとしの家から2km離れた国道の信号で止まっていた。みゆはここで超高速移動を発動し、一気に距離を詰める。さすがみゆであり、わずか20秒で2kmを移動した。すぐに追いつき、信号で止まっている吉川の車を発見した。みゆは西村と連絡し、吉川の車のナンバーの画像を送った。西村はその後も追跡することにし、いったん家に戻るよう指示した。

 家に戻ったみゆは健太と西村3人で作戦を立てていた。

 「あのさとしが連れ去られるということは連れ去った相手はM部隊の関係者の可能性が高い。」

 「しかも中層部以上かもね。そこらの下層部ではそこまで出来ない。」

 「とにかく、今夜さとしを連れ戻しに行こう。」

 健太は段取りを立てる。健太と西村は家でパソコンからみゆのヘアピンに仕込んだカメラで状況を見ることにし、みゆが西村の指示にしたがってさとしの後を追うことにした。

 夜になり、さとしを乗せた吉川の車は埼玉県の関越自動車道のパーキングで一休みしていた。吉川はさとしをトランクから出し、手足の拘束を解いた。吉川はさとしに食べ物を上げた。M部隊方式の任意同行なので、逮捕したわけではないので解放することもある。

さとしは逃げようにもここは高速道路であり、嫌でも吉川に付いてるしかなかったため、逃げることはしなかった。吉川は助手席に座るように指示し、吉川はM部隊に入った経緯を話し始めた。

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