第174話 雷雨
雲行きが怪しくなってきた。さとしはそろそろ雷が降り注ぐと予想し、一番高い木の上まで登った。木の高さは30mを超えているかなり大きな木だ。さとしは自分で加工した鉄の棒を上に上げて雷が落ちるのを待った。
しばらくすると、雷の音が聞こえてきた。さとしはじっとその時を待って最大の1万分の1秒のスロー効果を発動した。雷速は秒速150kmである。スロー効果で1万分の1秒にしても時速54kmと発光してから自分に落ちるまで10秒しかない。それだけ雷速は速いのである。最大のスロー効果でさえ光の先端を見るのは困難だ。
それから数十秒間スロー効果を発動しているとついに頭上で光が落ちてくるのが見えた。さとしは雷の光が落ちる瞬間に合わせて30mの高さの木から飛び降りた。そして空中にいる時にさとしは雷に打たれて意識を失った。
この様子をひっそりとエディンは見ていた。
「いるべき世界に戻りましたか。そなたの事は忘れない。そなたがした事は我々にとって非常に大きな意味をもたらした。神は実在するのだな。」
しばらくしてさとしは目が覚めた。すると目の前には懐かしさを感じるほどの天井に取り付けられた電気が見えた。辺りを見渡すとそこにはテレビ、窓ガラス。レールがあるスライド式の扉。そう、ここは病室だ。さとしは病院に運ばれていた。この3ヶ月の出来事がまるで夢だったかのようにとても静かである。そして聞き覚えのある声が自分を呼ぶ。
「さとし!」
そこにはみゆがいた。
「みゆ、みゆなのか?」
「何言ってんのやっと3日間ずっと眠ってたんだよ。」
「3日だと!おい、今何日だ、西暦は?」
「何言ってんの、今は2015年8月12日だよ。」
さとしはカレンダーやスマホを見て現代に戻った事を確認した。さとしは2015年8月9日に妙高山で崖から転落して、タイムスリップをした。紀元前でもう一度タイムワープをして崖から落ちた時に戻ってそれから3日間意識を失っていたのだ。




