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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第八章 紀元前編
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第173話 タイムスリップをして

 2015年8月9日‥さとしとみゆは妙高山に登っていた。その途中でさとしは崖から転落し紀元前3800年のイラクにタイムスリップした。ここはメソポタミア文明で栄えたシュメール人らが居住している地区だった。シュメール人らは飢餓による消滅が差し迫っている事に現在の体制の見直しをしていた。そんな時にさとしがやってきて、一気に状況が変わり、劇的に環境が変わった。


 しかし戦争などが深刻な問題となっており、あらゆる自治区が襲撃されたり全滅させられたりと問題を多く抱えていた。そんな中でも特に目立っていたのがセム族であった。セム族は近々大きな都市を攻め込み領地の拡大を計画していた。さとしもその戦争に巻き込まれ、危機的な状況に陥るがセム族を倒し戦争は一時的に終息した。過去の歴史を見ればこれは氷山の一角に過ぎず、これから先もあらゆる戦争が待っているのを知っていたさとしは自分がいなくなっても持ちこたえられるように万全な体制を整えた。

 

 シュメール都市国家の王エディンと話し合い、現代の事やさとし自身の思いなどを語りあい、タイムスリップをしておよそ3ヶ月。最初に落ちたウバイド自治区の近くの山奥にもう一度行って、タイムスリップした場所に行き現代に戻る事を決めた。

 

 シュメール人らに別れの挨拶をしてさとしは一人、始めに来た草原へと向かった。

 

 「俺がこの時代に来たことにより、彼らの生活は大きく変わった。この時代にはあるはずもない物も作ってしまった。俺がやった事は良かった事なのか、それとも・・・」


 さとしは自分の行動で歴史が変わってしまったのではないかと、現代にもし無事に戻れたとしても自分の知っている世界になっているのかと不安はたくさんあった。しかしここは紀元前、本来この時代にいる人間ではないのでいずれは戻らないといけない。現代でやり残した事があるどころか、まだ何もしてもいない。自分が体験したこのタイムスリップの件は誰にも話さず自分の中だけに留めることにした。

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