172/274
第172話 アヌンナキ
湿度も高くなり、雲も分厚くなり雨期に入ったのだ。さとしはチャンスは今しかないと判断しついに現代に戻る決意をした。シュメール人らに未来の話をしていないので、ここは神を演じて天に帰るとでも言うしかなかった。さとしはシュメール人らを呼び出して皆の前に別れの挨拶をした。
「アヌンアキ様、本当にありがとうございます。」
「アヌンアキ様、あなたのおかげで国家が誕生し、滅びるを防ぐことができました。」
「あなたが降りきたらなかったら、今頃我々はいません。」
さとしは天から降りきたりし者アヌンナキと呼称された。さとしの行った行動は粘土版に描き記され、後に歴史に残る一面となる。
最後にエディンが一言を言う。
「向こうでも達者でな。」
「あんたらと一緒に過ごしたこの3ヶ月忘れやしないさ。」
さとしは旧ウバイド自治区へ歩いて向かった。
シュメール人は、さとしに教わった技術を応用してその後も自分らでどんどん新しい技術を産んでいった。こうしてシュメール都市国家は徐々に拡大していき、中東では最大の都市になっていくのであった。
「いつの時代も人は人だな。」
さとしは少し名残り惜しさも感じた。




