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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第八章 紀元前編
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第164話 新たな

 激しい雷雨とともに儀式が数時間行われた。雨雲は晴れて晴天になり、儀式は終わった。ウバイド人らは解散し帰った頃、さとしは雷が落ちたポイントに向かった。あの時タイムスリップした場所だった。落雷の影響で草が焦げていたがそこにある物が落ちていた。それを見ると明らかにこの時代の物ではない懐中電灯が落ちていた。

 「俺は懐中電灯は持ってきてない。明らかに後で出現した物だ。」

 

 懐中電灯をよく見ると、妙高市役所という名前が書いてあった。これで間違いなかった。これは現代の懐中電灯そして新潟の市役所の懐中電灯だった。この状況から推測するには、自分の捜索を市がやっているという事が考えられた。

 

 「逆の事をすれば現代に戻れるのではないかのか?」


 このポイントは現代の妙高山と繋がっている事が判明し、もう一度落雷のタイミングを測れば戻れる可能性があった。この周辺には高さ20m以上の大きな木がたくさんあった。その中でも50mはある巨大な木もあった。


 「俺は落ちた時にタイムスリップした。今度は逆に高い所に向かって雷に当たれば・・・」


 しかしこれはリスクも伴う。何も起きなかったら雷に打たれるだけで終わるからだ。さとしのスロー効果は最大で1万分の1秒まで見る事ができる。それを使えば雷速を僅かに見極める事はできる。ただ1万分の1秒は体の負担がかなり大きく、発動後30分は体が動かなくなるのだ。さとしは一度1万分の1秒で雷の先端を見る事に成功している。雷速は光速に比べて遥かに遅いので、さとしの限界時間でなんとか見極めることは出来る。一か八か掛けに出ることにした。この事はエディンにも話すことにして焦らずにもっと確証を得られる段階まで行ってから実行する事にした。

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