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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第三章 中層部編
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第15話 危険指定

 2014年10月…少々肌寒くなってきた頃、東京のM部隊第3支部では、3ヶ月前、新潟に派遣されたM部隊の下層部の3人がいつまで経っても戻ってこないし、連絡すらないので、不審に思った第3支部は、中層部を1人新潟に送り込んだ。

 第3支部は、下層部の連絡が途絶え、最悪の事態を想定し、より優秀な中層部を送った。第3支部には中層部が3人いて、そのうちの1人の吉川幸子が新潟にいった。中層部では女性もたまにいる。下層部が残した最後の連絡はさとしとみゆの情報である。

 あれほどの事件があったのにも関わらず全く精神面でも乱れはなく、むしろ異常なほどの追求心があったため、下層部の3人はマークしていた。第3支部はこの2人が下層部の連絡が取れないのと関わっていると推定し、さとしとみゆを危険指定した。支部に危険指定すると、最低でも中層部以上が動くこととなっている。第3支部の支部長であるM部隊高層部の里山健司は、長年の経験から、ムタチオンと予想し、中層部を送り込んだのだ。

 一方、さとしらは、学校の体育祭で盛り上がっていた。さとしは玉入れをやっていたが全く球が入らない。能力を使えば全部入れられるが、そうはいかない。

 みゆは100m走をしていた。能力を使えば100mなんて1秒で走り抜けられるが、そんなことをしたら大変なことになるので、使うはずがない。健太は得意の長身を活かし、玉入れを見事に全部入れてみせた。ムタチオンとも言えど通常は人間と同じなので能力を使わなかったら人並みの力である。

 さとしのクラスにはもう一人実は変わった男子がいて、その男子は西村涼太で、周りからは中二病扱いされている。西村は自分で超能力者を名乗り、あらゆる金属を曲げる力を持っているという。当然嘘だが、自分は本当だと言い張る。

 さとしの競技がいったん終わって定置についた。基本西村もあまり皆に相手にされていないので、さとしの隣に座った。西村はさとしに自分の能力を語り始めたのだ。西村がさとしにそれを言う。さとしは震えるようにして話を聞いていた。

 「俺はな中学2年の時な、友達関係でイライラしていて、家でカレーライスを食っていたんだ。イライラしながら、スプーンを持って食べていたら、突然スプーンが曲がったんだ。だけど皆はイライラしてたから力が入って曲がったんだろとか言って誰も信じてくれないんだ。おれは全く力も入れてない。スプーンを力を入れずに曲げることが出来たんだ。これって完全に超能力だと思うんだ。最近ムタチオンっているだろ、俺はそのうちの1人だと思うんだ。ムタチオンっていいよな。便利そうだし、不便がなさそうでよ。あ、でも俺もムタチオンだからな。やろうと思えばこの学校の鉄筋も曲げられるんだ。俺は何度も曲げることを考えたが面倒なことになると思い、やめたがこの俺が本気を出せばこの学校だって破壊できるってことを、だからあんまりを俺を馬鹿にすると痛い目にあうぞ。当然使徒佐も例外じゃないぞ、大人しくしてるからって許される訳じゃない。なあそうだろう・・・・」

 西村は延々と語り続けているので、さとしは寝てしまっていた。西村は日頃馬鹿にされている怒りを抑えきれず、さとしを殴ったり蹴ったりしてしまった。それを目撃した先生らは西村を取り押さえる。西村は大きく叫びながら職員室に連れて行かれてしまった。さとしは軽傷を負った。

 体育祭が終わり、下校時間になった。落ち込んでいる西村はトボトボ歩いていた。さとしと健太は一緒に帰っていた。目の前に西村がいたので、さとしらは西村のもとへ行く。

 さとしは西村にさとしの家に誘って、西村は渋々さとしの家にいき、さとしの部屋に入った。さとしは自分のやっているムタチオンの研究を話したり、自分の正体を明かした。

それを聞いた西村は信じなかったので、さとしは実際に能力を発動させた。家の前に走っている電車は時速120kmで走行している。その電車に書いてある広告にあるURLをスロー効果で読み取って実際に検索してみせるという。西村はさとしにお前こそ中二じゃないかというが、さとしは気にせずスロー効果を使って、URLを読み取り検索した。当然検索できて、西村は驚いた。

 「西村涼太だっけ、さっき体育祭のとき、ムタチオンは羨ましいって言ってたよな。たしかに便利だし、有効に活用すれば非常に良い仕事ができるが、世の中全ての人がムタチオンを支持している訳じゃない。ムタチオンを嫌っている人もいる。人とは違う能力を得るようになり、周りからは差別されるし、ムタチオンてだけで警察やM部隊などに目を付けられる。ただムタチオンってだけでだ。色んなニュースでもムタチオンが強盗したり殺人したりとかよく聞くだろ。そのムタチオンによって家族を失った人もいる。たしかにムタチオンは人より優れているけど、ムタチオン自信、俺もそうだけど、正直普通の人間に生まれたかったと思っている人もいるだろう。警察やM部隊の動きなどに普通の人以上に目を光らせないといけないし、もし不意に能力を使ってしまって人を傷つけたりしたらどうするのかなど色んなことに気を使って過ごしている。涼太はムタチオンじゃないんだから、そんなことに神経を使わなくてもいいだろ。狙われる危険性もないし。人を傷つけることもないし。だから俺としてはムタチオンに憧れて欲しくはないな。俺だって普通の人間だったらこんな研究なんかしてない。もっと普通の高校生みたいに遊んで暮らしている。学校でわざわざ演技もしなくていいしな。」

 「そうだったのか…」

 西村は考え直すことにして、このことは一切公言しないことを条件にさとしらのM研のグループに入ることになった。

 西村は身長175cmで体格は標準、成績は数学が良くて計算が得意であったため、西村は作戦などの指示をする担当となった。


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