第130話 全滅計画
次々と部族が襲撃され、壊滅していくこの事態にさとしは焦っていた。さとしはこのままあらゆる部族が襲撃され続けると現代においても大きく影響してしまうからだ。
「ゼプトさん、このままだと大変なことになります。」
「どういったことですか?」
「俺がきた未来の世界が変わる可能性があるんだ。そうなると俺が知ってる現代じゃなくなってしまう、全くの別世界になる。実は今からおよそ3800年後にユダヤのベツヘレムでイエスという人物が生まれるのです。その人物がもし生まれなかった未来になると、大変なことになります。」
「ではどうすればよいのじゃ。」
「まず、セム族を統括している、セムという男とその右腕のロイという男だ。この二人はムタチオンの可能性が高い。」
「ムタチオン?」
「俺がいた未来の世界ではそう呼んでいる。生まれてから既に人間離れした能力を持つ者の事を言う。それは現代においても問題の種になっていて、全世界に数千人、あるいは数万人いるとされている。」
「なに、あのような奇抜な者が大勢いるのか?」
「俺の時代ではそうだ、いまの時代ではどうか知らないが。少なくとも他にもいるということです。」
「ならどうすることもできないんじゃ。」
「いや、俺が止める。」
さとしは決意した。メソポタミア文明が始まって以来最大の戦争を仕掛けるつもりだった。
「セム族を俺たちが全滅させる。」
さとしの目に迷いはなかった。




