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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第八章 紀元前編
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第129話 圧倒的な力

 ウバイド人が住む地区から10kmほど離れたユーフラテス川の上流付近に小さな村があり、セム達はそこにも襲撃を仕掛けたのだ。しかしセム族達の兵士らは、一瞬戸惑った。

 この村にはこの時代では最強兵器とも言える投石機、すなわちカタパルトである。村人達は3台のカタパルトを使ってセム族にめがけて投石をした。一台ずつ打っていき、一台目を打つと、石のスタンバイをしている間に二台目の石を打つ。これを繰り返して、投石準備の間を無くしている。次々と飛んでくる石に苦戦するセム族達だが、ここで一気にセムが前進して、一台の投石機に手を触れた。すると、その投石機はみるみる劣化していき、砂になってしまった。一台の投石機が砂になってしまい、村人は立ち尽くす。村人が隙を見せた瞬間に、ロイが能力を発動する。手のひらを前につき出すと、無数の棘が手のひらから放たれた。村人に無数の棘が刺さり、次々と倒れていく。そしてあっという間に50人ほどいた村人が全滅した。

 最後に残りの二台の投石機を劣化させ、民家も全て劣化させた。そこにあるのは砂の山と死体だけで、村だったという痕跡は一切無かった。


 「我々に勝てる部族はいない。」


 この間わずか10分であった。たった10分で一つの村が消滅したのだ。

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