第120話 紀元前のムタチオン
さとしが加勢してからシュメール人側は優勢になったかと思われたが、再びセム族側が優勢になってきた。
「ん?」
一気に状況が変わりだしたのを察知したさとしはスロー効果を発動し、セムとロイを見た。
「シュメール側に特殊な者がいるな。」
セム族の頭脳であるラルベルトがセム達に支持する。
「あの者をやれ。」
セム達は一気にさとしに向かって走ってきた。
「あれが親玉か。」
そしてセムに槍を突きつけてきたシュメール人がいた。セムは槍を掴むと、その槍はたちまち腐って、劣化を始めたのだ。
「これは・・・」
さとしはすぐにムタチオンだと察知した。
「この時代にもやはりいたのか。」
次にロイがさとしに向かって手のひらをかざした。すると、手のひらから無数の棘が放出された。
「こいつもか。」
さとしはスロー効果で無数の刺を全て交わした。」
「おい、セム。」
「わかってる。恐らく奴も神の使いだ。」
さとしは30分の1のスロー状態を発動した。さとしは自身をスローにすることで、それを運動エネルギーに変える事ができる。つまりスローにすればするほど、大きな運動エネルギーに変える事ができる。さとしは30分の1にしたので、通常のパンチの30倍のエネルギーに変えることが出来るのだ。ただし、スロー効果と違い、多用はできない。一度使用すると5分ほどは使えなくなるのだ。
「なに。」
さとしの30分の1変換攻撃による両手パンチは2人の腹に命中し、2人は10mほど吹き飛んだ。
しかしセムがすぐに立ち上がった。
「貴様も我々のような特殊な力を持っているようだな。だが、俺の能力は物体を劣化させる能力を持っている。貴様が攻撃したダメージを劣化させた。それでも通常のパンチ力以上はあったが。なかなかのものだ。」
「俺はロイ、体から無数の棘を繰り出すことが出来る。」
「劣化に、棘かよ。厄介な能力がいたもんだ。」
セムは自分が受けたダメージを自信で劣化させたのだ。
「つまり俺は自分で受けたダメージや痛みを劣化させることができる。大きな痛みやダメージを最小限にする事ができる。ただし自分の体限定だが、外では物体に使用することができる。」
「つまりいくら攻撃してもダメージを劣化させる限りお前は倒れないと。」
「俺を倒すことは誰にもできん。おいロイ」
ロイは両手をさとしに向けて無数の棘を飛ばした。スロー状態を使用したさとしはあと5分は能力を使用できない。さとしは素で逃げることにしたが、数本の針が足や腕に刺さった。
「くそう。」
さとしは倒れ込んだ。ここでラルベルトが気付いた。
「恐らくやつの能力パターンは消費型だ。」
「消費型?」
「先ほどのような素早い動きが出来なくなった。恐らく能力を使う回数に限りがあるのだろ。これで奴は詰だ。」
ロイは再びさとしに両手をかざして、うつ伏せになっているさとしに向かって、無数の棘を放った。さとしの体には無数の棘が刺さり、動かなくなった。
「あっけないもんだな。」
「さて、残りは雑魚だな。」
残っている兵士達も全滅してしまった。




