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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第八章 紀元前編
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第120話 紀元前のムタチオン

 さとしが加勢してからシュメール人側は優勢になったかと思われたが、再びセム族側が優勢になってきた。

 「ん?」

 一気に状況が変わりだしたのを察知したさとしはスロー効果を発動し、セムとロイを見た。

 「シュメール側に特殊な者がいるな。」

 セム族の頭脳であるラルベルトがセム達に支持する。

 「あの者をやれ。」


 セム達は一気にさとしに向かって走ってきた。


 「あれが親玉か。」


 そしてセムに槍を突きつけてきたシュメール人がいた。セムは槍を掴むと、その槍はたちまち腐って、劣化を始めたのだ。


 「これは・・・」


 さとしはすぐにムタチオンだと察知した。


 「この時代にもやはりいたのか。」


 次にロイがさとしに向かって手のひらをかざした。すると、手のひらから無数の棘が放出された。


 「こいつもか。」


 さとしはスロー効果で無数の刺を全て交わした。」


 「おい、セム。」

 「わかってる。恐らく奴も神の使いだ。」


 さとしは30分の1のスロー状態を発動した。さとしは自身をスローにすることで、それを運動エネルギーに変える事ができる。つまりスローにすればするほど、大きな運動エネルギーに変える事ができる。さとしは30分の1にしたので、通常のパンチの30倍のエネルギーに変えることが出来るのだ。ただし、スロー効果と違い、多用はできない。一度使用すると5分ほどは使えなくなるのだ。

 「なに。」


 さとしの30分の1変換攻撃による両手パンチは2人の腹に命中し、2人は10mほど吹き飛んだ。


 しかしセムがすぐに立ち上がった。


 「貴様も我々のような特殊な力を持っているようだな。だが、俺の能力は物体を劣化させる能力を持っている。貴様が攻撃したダメージを劣化させた。それでも通常のパンチ力以上はあったが。なかなかのものだ。」


 「俺はロイ、体から無数の棘を繰り出すことが出来る。」


 「劣化に、棘かよ。厄介な能力がいたもんだ。」


 セムは自分が受けたダメージを自信で劣化させたのだ。


 「つまり俺は自分で受けたダメージや痛みを劣化させることができる。大きな痛みやダメージを最小限にする事ができる。ただし自分の体限定だが、外では物体に使用することができる。」

 

 「つまりいくら攻撃してもダメージを劣化させる限りお前は倒れないと。」

 「俺を倒すことは誰にもできん。おいロイ」


 ロイは両手をさとしに向けて無数の棘を飛ばした。スロー状態を使用したさとしはあと5分は能力を使用できない。さとしは素で逃げることにしたが、数本の針が足や腕に刺さった。


 「くそう。」


 さとしは倒れ込んだ。ここでラルベルトが気付いた。


 「恐らくやつの能力パターンは消費型だ。」

 「消費型?」


 「先ほどのような素早い動きが出来なくなった。恐らく能力を使う回数に限りがあるのだろ。これで奴は詰だ。」


 ロイは再びさとしに両手をかざして、うつ伏せになっているさとしに向かって、無数の棘を放った。さとしの体には無数の棘が刺さり、動かなくなった。


 「あっけないもんだな。」

 「さて、残りは雑魚だな。」


 残っている兵士達も全滅してしまった。

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