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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第八章 紀元前編
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第100話 正しい決断だったのか

 生まれながらにして人とは違う能力を持った者を「ムタチオン」と呼ばれていて、爪がカミソリに変わったり、風を起こしたり、物を動かしたりなど、俗に超能力と言われるような能力が備わっている者たちの事を指す。ムタチオンは時には能力を犯罪に使用して、警察では対応する事ができず、法律でも非科学的な事象による事件、事故は対処のしようが無いため、それらに対応する特別な部隊がこの世界では編成されている。


 2015年8月7日…ムタチオン特別対策部隊、アメリカに本部があり世界各国に支部が点在している。通称M部隊と言われるこの特別部隊は、ムタチオンに対抗できる能力を持った優秀な部隊が集まって編成されており、警察など対応できない程度の事件や事故が起きた場合は特別に出動ができるM部隊である。

 M部隊は主に5つの編成で成り立っており、統括最高層部、最高層部、高層部、中層部、下層部とランクが高いほど人数は減るが、より優秀な部隊になっていく。


 日本にあるM部隊第3支部では、先日の愛利が「The Mutation」のムタチオン対策グッズやそのテクノロジーを展示する会場でテロを起こした事で、最後に第3支部中層部の山崎まことが愛利を射殺した事で議論になっていたのだ。

 

 「射殺したのは自分の判断だったのですか。」

 「そうだよ、上の指示なんかいちいち待ってたら犠牲者が増えるだけじゃないか。」

 「それもそうですけど。」


 下層部の一人と山崎は議論していて、当時射殺したのは上の支持ではなく、自分の判断で行ったことについては高層部の里山は意見を控えている。

 

 「だがあのまま放置していたら、あの時山下愛利を取り押さえていた一人の少年が催眠に操られて、一般の女性が殺されるところだったんだぞ。」

 「そういう結果になるのではたしかにやむを得ないですが・・・本当にそういう結果になるなんて証拠がないじゃないですか。」

 「俺がなぜ中層部に選ばれたか分かるか?」


 山崎は下層部の一人に今すぐ3歩後ろに下がるように命じた。

 その7秒後に、上の天井から作業の振動で大量のほこりが落ちてきた。今動かなかったら大量のほこりを被る所だった。

 「これが証拠だ。」

 「申し訳ありませんでした。」


 山崎まことは第3支部の中層部で身長183cmの35歳で能力は通称10秒予知、10秒程度先の未来を確認する事ができる能力を持っている。


 「俺の予知能力は10秒予知と言われるのは通称だ。正確には10秒から12秒くらいは確認できる。10秒先を確認しようとする時に3秒ほどかかるから、実際は7秒から8秒後くらいにその未来が来る。俺がお前に後ろに下がるように言ったのは11秒後にほこりが落ちてくるのを確認したからだ。」


 山崎が愛利を射殺したのは、予知能力で、7秒後に愛利は祐也を催眠にかけて、12秒後に祐也は目の前の一般女性を刺し殺す場面を確認したからだ。その未来がくる3秒前に射殺し、その女性が殺されるのを防いだのだ。


 「ただ俺の予知能力は一度使うと、数分間使えなくなるから、考えて使用しないといけない。通常戦闘状態になる時は、決め手となる時だけにしか使用しない。」


 山崎は確かな実力が認められて35歳の若さで中層部に選ばれたのだ。
















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