厳然たる事実
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ノックアウトステージ ベスト16 アヤックス-アーセナル アウェー戦 その2
エミレーツ・スタジアムの夜を支配していたのは、プレミアリーグ首位を争うアーセナルの、狂気的なまでのプレッシングと冷徹なまでのパスワークだった。
アヤックスの若きイレブンは、その熱狂と重圧に完全に呑まれていた。
前半開始早々から、前線での無謀な縦パスの仕掛けはことごとくアーセナルの強固なセンターバックに跳ね返され、中盤での不用意なトラップミスからセカンドボールを根こそぎ奪われる。
前半15分:
右ウィングからカットインの動きに振り回され失点 0-1。
前半32分:
ユーデゴールのミドルシュート 0-2
後半、アヤックス首脳陣はチームを慎重なブロック守備へと移行させた。まずは失点を防ぎ、試合を壊さないための現実的な選択。
しかし、それすらもアーセナルの「速度」の前には無力だった。
ダン以外のチームメイトの足が、思考が、ついていかない。右に左に振られ、ギャップを突かれ、守備組織は文字通り穴だらけだった。
ダンは中盤の底まで下がってスペースを埋め、こぼれ球を拾い、決壊寸前のディフェンスラインのケアに奔走せざるを得なかった。
(クソッ……これじゃ、前に出られない……!)
守備のカバーに手一杯で、マッチアップするはずだったマルティン・ユーデゴールと向き合うことすら許されない。
後半18分:
裏へ抜けられ失点。0-3
電光掲示板に刻まれた数字は、あまりにも無残なワンサイドゲームであることを冷酷に示していた。




