5:捨てられる
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「――――クリステルに捨てられるぞと脅されただけだ」
「「…………」」
国王陛下ってその程度で呼び出すのね。
「お咎めはなかったのですか?」
「ん? あぁ。私の尻が晒されたところで、なんの痛手もない。ただ、クリステルは…………私というリスクを抱えるのは大変だろう、と」
「リスクですか? 別に今更ですが」
「ブフォッ。今更って!」
マリウス副団長が煩い。ちょっと退室していただけないだろうか。
チラッと睨んでみたら、ニコッと笑って誤魔化されたが、とりあえず出ていってはくれるらしい。
副団長は空気を読むのが上手いなと思う。
「その…………まだ、婚約者でいてくれるかい?」
少し怯えたように聞いてくるレンブラント様は、とてつもなく可愛くて、心臓がぎゅんぎゅんした。
「はい。レンブラント様のクールドジは見ていて楽しいので、好きですよ。今回のことでレンブラント様は社会的に死にましたが、ライバルが減って良かったのかもしれません。怪我の功名ですね」
「いや、まだ生きてるが?」
「ふふっ」
なぜ楽しそうに笑っているんだ、生きているぞ!? と慌てるレンブラント様が可愛かったので、そのまま放置してみることにした。
小さなドジから大きなドジまで、きっとこれからもいろいろやらかして、私を笑わせてくれそうだ。
「好きですよ、レンブラント様」
「私もだが…………クリステル、君はもしかして、死体愛好家とか……!?」
「あはははは!」
レンブラント様は、可愛い。
これは私だけの秘密だ。
とりあえず、レンブラント様は社会的には死なずに済んだらしい。
まぁ、騎士団長でなくなろうとも、私は彼の側にいることを選ぶのだけど。




