4:国王陛下と
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「レンブラント、朝からこういう心臓に悪い記事はやめてくれ。尻丸出しってなんなんだよ」
「転倒し、臀部の布が破れました」
「それは分かるよ。問題はその続きだよ。なんで堂々とインタビュー受けてるんだよ。差し止めろよ」
頭を抱えた陛下にそう言われ思い出した。
「クリステルに言われて、差し止めようとしたんですが、いい婚約者様ですねと言われて、クリステルの良さを話しました」
「うん。それも記事を読めば分かる。なぜ差し止めなかった」
「まぁ、風呂でもトイレでも、野営中でも、尻を出すくらいよくあるでしょう? 別に問題はないかと」
「それと、王国立庭園でプライベート尻丸出しは違うだろうが!」
大差ないと思うんだがな。出てしまったものは仕方ないだろう。事故だ。
国王陛下にバシンと投げつけられた朝刊を広い広げて記事を確認した。
「一面を飾るようなニュースですかねぇ? 転けただけで」
「そこじゃねぇ!」
国王陛下が頭を抱え、執務机にゴンと額をぶつけていた。
気でも触れたのだろうか?
「もう、やだよ俺」
「陛下、人前では『私』ですよ」
「うるせぇよ! 尻丸出し男ぉぉぉぉ!」
今日は機嫌がすこぶる悪いらしい。
それよりも、あれだけ話したのに、記事にクリステルのことがほとんど書かれていない。
私を侮蔑したように見下ろしていたとか、酷いことを書かれているようだ。
これはクレームを入れなければ。
「で、どうするんだ?」
「何がですか?」
「男のお前は別に何ともないだろうが、婚約者であるメーヴィス伯爵令嬢はそんな記事が出た男と結婚するのはリスキー過ぎるだろう」
「っあ……だから記事を差し止めるよう言っていたのか…………」
国王陛下がさらに頭を抱えて、本当に仕事しか出来ないバカめと吐き捨ていた。
ところでなぜ呼び出されのだろうか?
「はぁぁぁ。もう仕事に戻っていい。メーヴィス伯爵令嬢に捨てられないよう、自力で手を打てよ?」
「…………え」
「なんで驚愕してる。さっき言っただろう。お前は、リスキーだと」
「っ!」
慌てて騎士団本部に戻れば、頬を赤らめたクリステルと、ニヤニヤと笑いながら口説くマリウス。
私のクリステルにそんな顔を向けるな。喋りかけるな。息の根を止めてやろう――――!
剣を抜いた私を見て、クリステルは楽しそうに微笑んでいた。
「早とちりなのですよね?」
クリステルはいつだって、私を見てくれている。
そして、私がクリステルを理解しようとすると、喜んでくれる。
こんなに、誰かと心を通わせたのは初めてなんだ。
陛下の言うように、捨てられないようにしなければ――――!




