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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
巫女編
89/112

89 その後のあれこれ


 【エンド】との戦いが終わり、レリウス王国は様々な後処理に追われた。


 崩壊した民家やビルの修復に戦死者の追悼、今後の方針、やるべきことは山積みだ。


 だが、国王である【藤原 啓】の指揮のもと着実に復興は進んでいた。


 エンドから奪った【冥色の誓約書】もかなり有効に働いた。これでかなりスムーズに交渉が履行されたのだ。


 そして、ひと段落した後にようやく【カーニバル】の面々が一堂に会したのだった。



涼斗「……さて、まずはお疲れ様だね。主に俺が、だが」


 鑑定事務所の一室で、紅茶を飲みながら涼斗が口火を切る。


サイ「……まあ、確かにあんたは最初から最後まで頑張ったけど……アタシたちも頑張ったからね!?」


 涼斗の言っていることは正しいのだが、それを自分の口で言われると、妙に納得しずらくなる。


涼斗「細かいことは気にするな。現に俺も、カーニバルに関係ない奴の同席も認めているだろう」


 そう、この場にはカーニバル所属ではない2人のホルダー【女帝】と【聖女】がいた。


由美「え、……私カーニバルに入ってなかったの!?」


サイ「……まあ、確かに入ってはないね」


 苦々しい顔でサイは返事をする。


政明「んなどうでもいいことより、現状の整理と、今後の動きだろ。無駄な事してんじゃねぇよ」



「「「「いや、主にお前が議題だよ!」」」」



 全員のはもった声が俺の耳に届いた。


政明「……は? 俺の何が議題なんだよ」


 新生児にミルクを飲ませながら、俺は返事をする。


由美「色々と言いたいことあるけど、まず、その称号を持った赤ちゃんは何!?」


政明「最近ようやく体調が安定してきたからGCUから出した新生児だ。【巫女】の称号を持ってるから、峠を彷徨うこともなかった。あと、あんま大きい声出すな。こいつ泣くぞ」


由美「いや、それはごめんなさい。でも、その子って深玖の子供でしょ。なんで政明が保護してるの?」


 いつもとは違う、少しとげとげしい口調で由美は政明に問い詰める。だが、それも仕方ないだろう。なんせ彼は――



由美「それに、なんで私に称号のこと言ってくれなかったの? ずっと、私に嘘ついてたってことだよね」



 ほんの少し、怒りをはらんだ声で政明を睨む。


サイ「ちょうどいいんじゃねぇか? いつかはホントのことを言わなきゃなんねぇ。この際、全部ゲロっちまえよ」


政明「…………」


 俺は、少し考え込んでから【裏切者】の能力を解除した。


政明「……分かった。今から俺は本当のことだけを話す。ジョーカーの能力は使わねぇから、あとは由美が自力で判断してくれ」


由美「……分かった」


 居住まいを正し、由美はしっかりと耳を傾ける。


政明「まずはそうだな、お前がレリウスに売られた話からだな」


由美「そうそれ! それが一番聞きたかった。なんであの時、私のことがレリウスに知られてたの?」



政明「そりゃ俺がお前のことを国に()()()()からだ」



 由美に限らず、全員が、その場で固まった。いつもは政明に友好的なタクトでさえ、懐疑的な視線をしている。


政明「あの時、お前の存在を小島にリークした。5億の金と引き換えにな。だからお前は連れ去られた。おじさんとおばさんには……気の毒だと思ったよ」


 由美は呆然自失となった。それもそうだろう。由美にとって、最後に両親に会ったのは、あの時が最後なのだ。


 しかも、それを行った相手は自分の好きな人で、村で唯一の生き残りなのだ。


 由美は膝から崩れ落ちた。


由美「……嘘」


政明「嘘じゃねぇ。お前なら分かるだろ」


タクト「政明、お前、その態度は人としてどうかと思うぞ」


 いつもとは一段低い声で、タクトは政明に声を飛ばす。少し怒りが垣間見えた。


政明「別に……今俺がここで土下座しても、過去は変えられない」


タクト「そういう問題じゃねぇだろ」


政明「俺にとってはそういう問題だ。もういいだろ、こいつの世話はお前らに任せる」


 政明は、赤ん坊を涼斗に託し、部屋から出ようとする。



政明「じゃあな」



 短く挨拶を言い、俺はドアノブに手をかける。


サイ「待ちなっ」


 だが、扉を開く前に、俺の頭が誰かに叩かれた。サイだ。


サイ「まさかあんた、これではい終わりってわけじゃないだろうな」


政明「いや、これで終わりだ」


サイ「アタシがなにも知らないとでも思ってんのか? もう一度言うぞ、全部言え。言わなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことがあんだろ」


 政明の首を絞めながら、サイはがんを飛ばす。


政明「……サイてめぇ」


サイ「言うつもりがないなら、アタシが言うぞ」


 政明が逃げないよう、首根っこを掴みながらサイは口を開く。


サイ「単刀直入に言おうか由美。こいつがあんたを国に売ったのはあんたを守るためだ」


由美「……どういうこと!? なんで私を家族から引き離すことが守ることになるの! ねぇッ!!」


 由美は罵声にも似た声でサイに詰め寄る。



サイ「当時、あの村は綾都の傭兵に見つかっていたんだ。お前があと数日、国に売られるのが遅かったら、今頃は綾都にいただろうな」


由美「……どういう……こと?」


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