表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
巫女編
88/112

88 綾都からの斥候


「えっぐいなー。一体だれや、あんなむごいことする奴は」


 地面の中から()()()を出し、爆発の規模に戦々恐々としているのは、【綾都】お抱えの傭兵部隊、【ホーム】の【根元(ネモト) 俊介(シュンスケ)】だ。


『私たちが気にすることじゃないよー。それより、すぐボスに報告するね』


 そのすぐ近く、木の上に登り、耳に手を当てた【(モリ) (カオル)】は綾都のバーで待機するボスに通信を行う。


俊介「毎回思うんやが、俺の脳内に突然しゃべりかけるのはどうにかならんのか?」


薫『無茶言わないでよ。わざわざ手で合図してから通信するの、すっごい面倒なんだよ?』


 俊介は、地面から体を出し、その筋肉を見せつけながらやれやれと首を振る。綺麗な二重の瞳に、坊主頭の彼は筋肉を見せびらかすのが好きなのだ。


俊介「そうかい、そりゃ悪かったのー」


薫『そう思うなら、服を着てください』


俊介「そう言うなや。さっきまで俺、死にかけとったんやぞ」




 あなたは【遊泳者(スイマー)】のホルダーになりました。

 称号取得条件

 道具を使わず10分以上潜水すること。

 特殊能力

 ありとあらゆる場所での遊泳を可能とします。

 専用宝具

 漆黒の布




 【遊泳者(スイマー)】である彼は、先ほどのシャッフルの影響で地面に生き埋め状態になっていた。幸い、驚異的な肺活量で難を逃れたようだが、あのときはさすがに肝が冷えた。


 薫は腰まで伸びた紫の髪を靡かせながら、スマホを凝視する。


薫『……なるほど。俊介さん、ボスからの指令です。あの爆心地に行って、ホルダーの確認と、宝具の回収をお願いします』


俊介「分かったわ。……それより、あんた【伝達者(メッセンジャー)】なんやろ。わざわざスマホで連絡とらんと、あっちからの声を聴けばええんやないの?」


 


 あなたは【伝達者(メッセンジャー)】のホルダーになりました。

 称号取得条件

 声を失うこと。

 特殊能力

 マーキングした相手に声を届けることができます。

 専用宝具

 鈍色の鍵




薫『私の称号は一方的な通信なので、距離が離れている場合は電子機器が必須なんです。何度も言わせないでくださいよ』


俊介「あー、そういえばそんなこといっとたのー。俺は物覚えがわるいさかい、どうもな」


 笑いながら、俊介は土の中へと姿を消した。


薫『言い忘れてましたが、最長5分で離脱です。それ以上は、追手が来る可能性があります』


 土の中からオッケーポーズの指が出た。




―――




俊介「こりゃひどいのー」


 俊介は爆心地の真ん中で呟く。


 爆発は空で起こったはずなのに、その余波のせいで周囲の木々が軒並み倒されていた。この規模の爆発を至近距離で受ければ、ホルダーでも命はないだろう。


 周りの安全を確認した俊介は地面から飛び出し、宝具を探す。


 しばらく歩き回れば、刀の宝具を持った一人分の遺体が見つかった。


 だが、損傷がひどすぎて、性別や年齢すら分からない。


 なにかを大事そうに抱えていたのだろうか、腕がなにかを抱いていた形をしている。


 手を合わせてから、宝具の刀を抜き取る。


 死後、最初に触ったのは俺なので所有者も俺だ。


 次によく分からないロープも回収する。ロープはかなり長くなっており、その先には計4名の死体があった。


俊介(ボスからの情報やと、こいつが【剣帝】でこっちが【浮遊者】それに【君主】と【勇者】か。意外と身なりでわかるもんやのー)


 全員に手を合わせてから、俊介は【冥色の誓約書】と【丹のロープ】と【虹のルーレット】を回収する。


 一通り見て回った俊介は地面に潜ろうと宝具を身に着け始める。だが、その時背後からホルダーの気配を感じた。


俊介「少し時間かけすぎたか」


涼斗「……だれだお前?」


 追いついたのは、【道化師】だった。


涼斗「こちとら、【不死】をコピーして死に戻りして駆け付けたんでね。とっととそれを置いて帰りな」


俊介「それは難しいな。これは俺らのもんや」


 俊介はすぐに逃走の準備を始める。だが、涼斗の顔をしっかりと確認したとき、その動きが止まった。


俊介(……? どっかで見たことあるような顔やな。誰や?)


涼斗「戦闘中に考え事かい?」


 涼斗は一足飛びに俊介に飛び掛かる。それを紙一重で避けるが、その拍子に【冥色の誓約書】が空に舞った。


俊介「……やべっ」


 風に乗ってあらぬ方向へ飛んでいく宝具を涼斗はキャッチした。


俊介「……まあ、そいつはくれてやるさかい。もう俺を追いかけてくんなよ」


 俊介は地面に潜り込み、そのまま場を後にする。


 ホルダーの気配はどんどんと下に下がり、ついには感知できなくなった。


涼斗「……あの効果は、【遊泳者】か。ってことはホームの連中。面倒なことになったねぇ」


 昔のことを少し思い出しながら、涼斗は帰るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ