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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
巫女編
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82 再会

j『決死の飛び降りだったね』

政明(うるせぇよ。……まあ、まさかここまで深いとは思わなかったがな)

j『いやぁ、まさかエレベーターに穴を空けて落下して最下層にいくとは思いもしなかったよ』


 政明と名乗る少年は、近くの壁をまさぐり電気のスイッチを入れた。


 鮮明に、彼の姿がボクの目に映る。


深玖「えっと……」


結奈『アキ君!!』


 ボクが何かを話す前に、お母さんが脳内で大声を出した。


 そして、無理やりボクの体の主導権を奪う。


結奈「アキ君! 久しぶり、元気にしてた?」


政明「あ? なんだお前、その呼び方。それじゃまるで――」


 その辺りで察したのだろう、政明は大きく目を見開く。


政明「……まさかお前、結奈か?」


結奈「半分正解! 今ボクは深玖の体に憑依してる存在。だから生きてはいないんだけど……それでも会えて嬉しい!」


 政明は一瞬、上を向く。


 光の反射か目が潤んだように見えたが、次の瞬間には何事もなかったかのようにこっちを向いた。



政明「…………なら話が早ぇ。とっとと脱出すんぞ」


結奈「それなんだけどね……」


政明「その腹を見りゃ分かる。なにがあったか教えろ。それととりあえず、深玖のほうに代われ」


結奈「えー。ボク、久しぶりにアキ君と話したいのに」


政明「んな時間ねぇわ。早くしろ」


 結奈は目をつむり、再び目を開いた。


深玖「えっとお母さん!? ボクこの人と初対面なんだけど……」


政明「どうせ、あの【聖女】から俺のことは聞いてんだろ。なら問題ねぇ」


深玖「え? もしかして、由美ちゃんが言ってた、婚約してる彼氏って政明さんのことだったんですか!?」


 一体、なにを曲解したらそんな事態になるのか。由美に物申したいところだが、あいにくマジで時間がない。


深玖「ボク、聞いてます! なんでも、絶対に嘘を吐かない、誠実な人だって」


政明「ああ、そりゃ嘘だ。俺はホルダーだからな。それより、今からする質問に答えろ」


深玖「……え、はい!」


 政明は、深玖の診断結果やカルテを見ながら口を開く。


政明「まず、最終月経はいつだ?」


深玖「…………え?」


政明「聞こえなかったのか? ……ああ。彼氏と××で○○して、△△をした日付でもいい」


 恥ずかしい質問をなんの躊躇いもなく投げかけてくる政明に、一瞬脳が思考停止するが、深玖は頭を振る。


深玖「わ、分かりますから!!」


 深玖は小声で、日付をいう。


政明「なるほどな。大体、妊娠23週ってとこか。安定期には入ってるな」


 牢の外に置かれていたエコー写真やカルテを見て、政明は頷きながらさらに質問を行う。


政明「で、ここから脱出するわけだが、お前は500メートルくらいの階段上れるか? エレベーターの方は使えなくてな」


深玖「ごひゃ……いやすいません、ちょっと待ってください。実はボクの体に爆弾が埋め込めれてて……」


政明「……なに?」


深玖「この牢からでると、爆発する仕掛けで……」


政明「……おい、まさかそれは任意で遠隔爆破できるタイプじゃないよな?」


 政明さんはとても深刻そうな顔でボクに尋ねてきた。


深玖「えっと……そうだけど」


 そう答えた瞬間、政明さんは一気に険しい表情になった。まるで、終わりだとでもいうかのように。



政明「……落ち着いて聞け。深玖、お前は多分()()



 そして、ありえない答えが返ってきた・


深玖「……え、冗談……ですよね?」


政明「悪いが、冗談じゃねぇ」


 政明は部屋のあちこちを歩き回り、使えそうなものはないかと捜索を始める。


深玖「待ってください! どうして死ぬんですか?」


 探索する動きを止め、政明は逡巡した顔をする。


政明(決めるのは、深玖……か)


政明「よく聞け。今、地上では、エンドとレリウス国が戦ってる。当然、お前の彼氏っぽい奴もだ」


深玖「……え、本当ですか!? じゃあ、シン君が来てるんですね!」


政明「あの【剣聖(ソードマスター)】のことを言ってんなら、そうだな」


 深玖は、今日一番の笑顔を作る。それだけ、信矢との再会が待ち遠しいのだろう。


政明「正直、今の戦況はエンドが優勢だ」


深玖「そうなんですか! じゃあ、いつかここにも助けが」


政明「ああ、ほぼ確実に来る。だからこそ、危ないがな」


 まだ発動していない【勇者(ヒーロー)】の能力を考えれば、タクト達の旗色は決して良くない。


深玖「どういうことですか?」


政明「考えてみろ。戦いが終わってエンドがここに来た場合、小島はどうすると思う?」


深玖「……なんとか妨害しようとすると思います」


 もうすぐ助けがくると分かってか、随分と楽観的な意見だ。


政明「違う。あいつはお前を殺す。その爆弾で確実にな」



深玖「…………え?」



政明「敵に奪われるくらいなら殺す。仮にもホルダーだしな。野放しにするくらいなら、俺なら殺しておく」


 深玖は信じられないのか、ふらりとその場にへたり込む。



政明「ここからはお前が決めろ。今、お前には3つの選択肢がある」



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