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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
巫女編
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79 【道化師】


 サイは思わず、口元がにやけてしまった。


 死んだと思っていた仲間が来てくれたから。


 普段は自己中で傲慢で、いけ好かない奴だったけど、それでも大切な仲間だ。


サイ「ったく……来るのが遅せぇんだよ」


涼斗「はっはっはっは、分かってないねぇ。人はいつ神に縋ると思っているんだい? ピンチの時だよ」


 相変わらず、何言ってるか分からないが、それがいつも通りだと知っているサイは笑みが零れる。


政明「おい分かってんな涼斗」


涼斗「ああ。5分耐えればいいんだろう? とりあえず、サイ君。君にはこれを授けよう」


 涼斗は地面に転がる不死を投げる。


涼斗「来る道中に拾った。どれだけやられても治る、究極の盾さ」


秀二「……えっとその……、はい。僕は盾です……」


 涼斗の勢いに押され、秀二は盾になる。


涼斗「それと……おお、これはすごいな」


 涼斗はサイに触れ、久の宝具を鑑定する。


 それだけで、大体を察したのだろう。


 皆より一歩前に出る。



久「最後の語り合いは終わったのかのう」

 

涼斗「そっちこそ、脳内での相談は終わったのかい? じゃあ、第二ラウンドを始めようか」



 久はどこからか【丹のロープ】を取り出す。


久「前回のようにはいかんぞ」


 意志を持ったロープは、無数に増殖し涼斗に迫る。


 先ほどの鞭ではない、無作為な動き。


 涼斗は息を吸うのも忘れて、ロープを注視する。


 そして、押し寄せるロープを回避していく。


久「同じ轍は踏まんぞ」


 久は、まだ慣れていない涼斗の方へ全力で肉薄する。


 いきなりのマルチタスクに涼斗は一瞬、動きを止めた。


 その隙をつくように、【丹のロープ】が涼斗に巻き付いた。


久「これで終わりじゃの」


 久は身動きの取れない涼斗に向け刀を振った。


 涼斗は綺麗に両断され、左右に割れる。


久「案外あっけないのう」


 久は思考を切り替えて【女帝】の方を向く。


 だが、すぐにあの傲慢な声が耳朶を打った。


涼斗「違和感はなかったかい? 俺の傷が治ってることにさ」


 久が意識を別に向けた時、涼斗は無傷で立っていた。


久「……そうか、不死をコピーしたのか」


 てっきり解析者のままだと思ったが――しれっと不死に触っていたのか。


涼斗「同じ轍は踏まない、ね。俺は何度でも踏むよ。なぜなら神は不変であり、常に変わらないものだからね」



久「三代目 改 燕切り」



 久は空を舞う。そして、急な方向転換を利用し、涼斗に必殺の攻撃を行う。


 その一撃は、涼斗の命を奪いかねない威力を孕んでいる。


涼斗「腕くらいは仕方ない……か」


 涼斗は右腕を犠牲にしながらも、その初撃を回避する。


 そして、今度は左腕を犠牲に次撃を避ける。


久「ぬしに慣れの時間は与えん。 二代目 連撃刺突」


 神速の突きを涼斗に繰り出す。さすがの涼斗もそれには対応不可能だ。


 二度目の死を体験する。


久「リスキルさせてもらおうかのう」


久(劣化コピーと言っても不死性は変わらないだろうしの)


 涼斗の死体に目を向けた瞬間、背中に激痛が走った。


タクト「油断だぞ、キング」


 タクトが、政明を背中に乗せて刃を振るったのだ。


久「なるほど……ジョーカーの力で隠密、からの攻撃か。悪くはないが……二度目は効かないぞ」


 久は高速で刃を振った。


 それだけで真空の刃が作られタクトたちに向かう。


久「初代 真空切り」


 完璧なタイミングで放たれた斬撃に、タクトの回避は間に合わない。


サイ「残念だったなぁ!!」


 だが、そこにサイが割り込んだ。


 何度も消費できる秀二を躊躇うことなく前に出し、その攻撃を肩代わりさせる。


秀二「ギャアアァァァアア!! 痛い、痛いです!」


サイ「うるさいねぇ。男なら少しは我慢しな!」


 ちょっと可哀そうな不死に気を取られ、久はハッとする。



涼斗「神、ふっかーつ」



 腕を完全再生させた涼斗が五体満足で立っていた。


 久は舌打ちをする。


久(そうか……【道化師】がダウンしてる間に、残りの3人が請け負い復活時間を稼ぐ)


 確かに時間稼ぎが目的ならそれで十分かもしれない。


久(だが、それがそう簡単に出来るとは思わないでほしいのう)


 久は上空へと飛び、空から斬撃の雨を降らす。


涼斗「へぇ……やるね」


 涼斗はそれを軽々と避ける。だが、本命はそこではない。


 無作為に攻撃しているように見せつつ、全員を誘導する。


 涼斗を4人から引き離したところで、地中に待機させていた【丹のロープ】を繰り出す。


涼斗「おおっと、マジか」


 再び涼斗をロープで絡めとる。


久「せっかくラッキー7で変身したんじゃ。一発くらい、本気でパンチしてみたいんじゃよ」


 しっかりと拘束されたのを確認すると、久はその場へ急行し、思い切り拳を振る。


涼斗「……マズいね」


 それは、涼斗の体など余裕で消し飛ばした。


 それどころか、拳が放たれた方向に建っていた家々が風圧だけで粉々になる。


サイ「めちゃくちゃだ……」


 政明たちは風圧で上手く呼吸ができない。


 そして、上空数百メートルに涼斗の血を巻き上げて、その攻撃は終わった。


久「これはただの推論だがのう。恐らく、死んでから復活するにはそれなりに死体の状況にも影響するんじゃないかの」


秀二(当たってる……)


 死体は、より原型を留めている方が治りが早い。


 それはつまり、全身が砂のようにバラバラにはじけ飛んだ場合、復活にかなりの時間を要することと同義だ。



久「さて、これでゆっくり相手がしてやれるのう」



 だが、政明・タクト・サイはその場から大きく離れていた。


 ん? 政明・タクト・サイは大きく離れていた? 


秀二「じゃあ、僕は?」


 気づけば僕は、まるで置き土産かのように久の近くに置かれていた。


 急いで皆の方を見れば、彼らは静香さんの近くで待機している。


 さすがの久も一瞬、訳が分からない、という顔を作る。


 というか――



静香「これなら、どうだ」




 静香さんたちは20メートルはあろうかという巨大なベルを一緒に持っていた。


 そしてそれを、僕もいる久の方に向け、思い切り振る。


秀二「いやちょっと待って!? いくら【不死】でも、これはさすがに――」


 僕の悲鳴が届く前に、音響兵器が大きな音を鳴らした。


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