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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
巫女編
74/112

74 【巨人】


 巨人になった小島は、その規格外のリーチで理香に迫る。


 理香を捕まえようと、その巨大な腕を振るう。


 だが、空中で3次元的な動きをする理香は機敏に動きその追撃を躱していく。


理香「そのような大ぶりな動きでは、私は捕まえられませんよ」


小島「知っています」


 巨人は、力だけならすべてのホルダーで1番強いだろう。だが、その大きさゆえに機動性の面で【決闘者(デュエリスト)】に大きく劣る。


 だが一撃当たれば、それは決闘者すらダウンさせる。


 だから小島は何度も腕を振るう。


 周囲の建物を破壊しながら、理香を狙うがそれでも【浮遊者】は速かった。



小島「こういうのはどうですかね」


 小島は手ごろな瓦礫を拾い上げそれを投擲した。


 大きなコンクリートの塊が理香に迫る。


理香「遅いですね」


 理香は避ける。だが、大きなコンクリートは一瞬だけ理香の視界から小島を隠す。


小島「それだけじゃ足りないでしょう?」


 小島は、すぐに二投目を投げた。


 次に投げられたのは、ガラスや石などの細かな破片を含んだ散弾銃のような代物だ。


理香(これはさすがに避けられないですね。ですが――)


 理香は【丹のロープ】をオートモードにし、自動で瓦礫を撃ち落とす。


 どれだけの数があろうと、こちらは無限にロープが伸ばせる。


 数秒後、理香は無傷で空に浮かんでいた。


理香「これが王国最強の巨人ですか?」


小島「いやはや、耳が痛い。ですが先ほどの巨大なコンクリートは受けずに避けたところを見るに、そのロープでも防げる限界はあるのでは?」


 理香はなにも答えずに、ロープを伸ばす。


理香「今度はこちらの番ですね」


 理香は急降下し、小島の足首に縄をひっかける。


 小島は足をその場を移動しただけで、地面に転んだ。


理香「簡単にはこけさせませんよ」


 巨人が地面に転んだだけで辺りに大音響が響く。


 その機を逃さず、理香は小島の首にロープをひっかける。


小島「これは……」


 小島は無理やりロープを千切ろうとするが、どうやっても千切れることはなかった。


理香「これは絶対に壊れませんよ。それより、もっと焦った方がいいのでは?」


 理香は伸ばしたロープを縮小させる。


 だんだんとロープが締り、小島の顔が蒼くなっていく。


小島「……ぐッ……」


 だが、小島は笑った。


理香「なにを笑っているのですか?」


 その疑問に答えるかのように、小島はその巨体を小さくした。巨人の力を解除したのだ。


小島(縄にスペースができた)


 即座に首と足首にかかっていた縄を外し、すぐに腕だけを巨大化させる。


小島「捕まえましたよ」


 小島は腕にロープを巻き付け、綱引きの要領で理香を引き寄せる。


 ロープを縮小させていた理香はすぐに反応することができない。あっという間に小島の手のひらに包まれた。


理香「まさか、これで終わりとでも?」


 理香の意志を反映したロープは小さな隙間からひとりでに動き、小島を狙う。


小島「駄目ですよ、動いては」


 小島は少し手に力を入れる。それだけで、理香の肋骨が何本か折れる。


 ロープが途中でだらしなく垂れた。


小島「それを鑑定した解析者がいるものでね。そのロープ、専用宝具だった場合、意志の力だけで動かせるらしいですね。では、そんなこと考えられないほど痛めつけてあげましょうか」


 小島はさらに手に力を込める。


理香「ゴボ……ッ! げほっ……げほっ……」


 口から血を流し、必死に脱出を試みるがそれは無意味に終わる。


小島「ホルダーは出来れば生け捕りにしたいのですが……さすがに今はそんな余裕はありません。残念ですが、ここであなたの出番はここで終了です」


 思わず理香は目を閉じる。だが、不意にホルダーの気配がした。



信矢「初めましてだな、陸軍総司令」



 そんな簡素な挨拶と共に、小島の巨大化した腕が斬れた。


 解放された理香は酸素を取り込もうと、必死に呼吸を行う。


小島「なるほど……あなたが【剣聖】ですか。あの老骨がだれに称号を託したかと思えば、君のような若者とは」


 腕が斬られたというのに、平然とした顔で小島は現状を分析する。


信矢「問答は時間の無駄だ。簡潔に教えろ、深玖はどこにいる? いえば楽に殺してやろう」


小島「残念ですが、なんのことか知りませんね。まあ、もし知っていたとしても教えませんが」


信矢「そうか、気にするな。いずれにしろ殺すつもりだ」


 信矢は【深紅の刀】を振り小島に迫る。


 小島は建物の陰に入り身を隠そうとするが、その建物が一刀両断された。


小島「ふざけた宝具ですね」


信矢「実力だ」


 小島は巧に距離を取りながら信矢との戦闘を回避するが、信矢はそれを許さない。


小島「随分と傷だらけですね」


信矢「そうだな。面倒な奴がいたものでな」


 片手を失った小島を簡単に捉えられないのは、ひとえに先ほどの戦闘の影響が出てるからだ。


 度重なるダメージの累積に、体力の減少。


 だが、それももう終わりだ。


 信矢の斬撃が小島の胸に傷をつける。


小島「……うッ……」


 思わず小島はその場に倒れる。


信矢「最後の通告だ。深玖の場所を教えろ、そうすればすぐに殺す」


信矢(言わないなら、四肢をもいであの兵士たちに降伏を促す)


 他にも、現在戦闘中の元帥のもとへもっていけばいくらか戦意を削げるだろう。



タクト「残念だけど、まだ小島はやれない」



 矢が飛んできた。的確に俺の首を狙った一射だが、深紅の刀で払いのける。


タクト「これを止めるのか、すげぇな」


 大半の武器を修めているタクトは驚きながら50メートルの範囲内に入る。


信矢「……ホルダーか。しかもその顔は覚えがある、【劣等者】だな?」


タクト「違うんだなこれが。俺は【違反者(バイオレーター)】だ。ま、効果はお察しの通りだけど……」


信矢(タクト王子……確かまともに動けないハズレ称号のはずだが……)


 もしも問題なく動けるなら、間違いなく強敵だ。極のババア曰く、最強の一般人らしいからな。


信矢「邪魔をするなら、貴様も殺す。発言には気をつけろ」


タクト「そりゃ怖い……けど、俺はこの国の王子だ。悪いけど、これ以上民の財産を奪わせない」


 普通の剣を持ちながら、タクトはこちらに構える。


信矢「……そうか」


 二人が斬りあおうとするその刹那、声が聞こえた。



政明「おい! 連れてきたぞ!」



 政明が【君主キング】と【勇者(ヒーロー)】を連れて、場に現れたのだった。


お疲れ様です。作者です。

タイトルの番号を見ればお気づきのことかもしれませんが、私、『常識外れのバケモン』は投稿する順序を間違えてしまいました。心よりお詫び申し上げます。

まさかタイトル通りにカミングアウトを行うことになるとは思いもしませんでした。

時間の許す限り速やかに順序を変更・改定いたしますので、読者の皆様方、ご不便かもしれませんが今しばらくお待ちください。

また、ここまで読み進めてくれている全ての読者様に改めて感謝を。


ありがとうございます!


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