73 【不死】
歴代剣聖 技一覧
初代 真空切り
二代目 連撃刺突
三代目 燕返し
四代目 居合切り
五代目 鍔刀受け
六代目(信矢) ??
信矢はアンデッドに向けて【深紅の刀】を振る。
信矢「二代目 連撃刺突」
宝具の刀が一瞬にして秀二の顔面を穴だらけにした。
だが、その怪我はたちどころに回復し秀二は何度も立ち上がる。
秀二「す、すいません……僕の任務はあなたをここに足止めすることなので……」
弱々しい言葉を吐きながらも、秀二は信矢の足にしがみつき、その場に固定する。
信矢「面倒だな……これならどうだ」
信矢は自身の足にしがみつく秀二の背中に刀を突きさし、地面に串刺しにする。
秀二「……ッ! 痛いです痛いです!!」
秀二は信矢から手を放しその場でのたうち回る。
信矢「その程度の覚悟で戦場に立つな。イライラする」
信矢は木剣を掴み、周囲の兵士の殲滅にかかる。
秀二「……ああ、痛い痛いよ」
僕の能力は死んでからしか発動しない。だから、どれだけダメージを受けても、血を流しても、体が動かなくなっても、死ななければ傷は治らない。
秀二(だから、また僕は自殺しなきゃいけないんだ……)
秀二は奥歯に仕込んでいた薬を服薬し、こと切れる。
そして数秒後に復活した。
信矢「チィ……鬱陶しいなゾンビ」
秀二「ご……ごめんなさい……」
ダメージを覚悟で信矢の斬撃をその身に受ける。
何度も何度も死を体験する。だがその度に秀二は立ち上がった。
次第に信矢は、まともに相手をするだけ無駄だと悟る。
信矢(回復力は脅威だが……肝心の本人が弱いな。そして、死ぬたびに蘇生まで時間がかかっている)
信矢はすぐに対抗策を講じる。
即ちリスキル。
生き返った瞬間に斬撃を飛ばし、首をはねる。
少し手間が増えるが、それだけだ。
だが、レリウス軍もただでは見ていない。
事情を知らない兵士だが、とにかく秀二がキーマンだと理解する数人の兵士が身を挺してリスキルを防ぐ。
その隙をついて、秀二は信矢に飛びつく。
すぐに首を斬られるが、その一瞬で十分なのだろう。
意識が分散した信矢に何人もの兵士が襲い掛かる。
そして、演習場にいた兵士の半数がやられた時、信矢の体には少なくない傷ができていた。
信矢「……はぁ……はぁ……はぁ……」
相手が大したことないとはいえ、さすがの信矢も息を切らす。
信矢(キリがない……特に、【不死】が行う自殺まがいの拘束が厄介だ)
戦闘能力も覚悟もない青年だが……どうやら同調圧力だけでここに立っているらしい。
周りの人たちが頑張ってるから自分もやろう、という腰巾着的な思考。
あまり好きではないが、こういう戦場では面倒だ。
なぜならこの場にいる兵士全員が、立派な戦士だから。
信矢(さっきから何人殺してると思ってる)
兵士の斬撃を回避、それと同時に木剣で命を刈り取る。
だが、決して軍の勢いは衰えない。
目的の王城まで行かせてくれない。
信矢(城に入っても、深玖を探して撤退しなきゃならん。ここでできるだけ数を減らしたいが……)
ぐずぐずしていたら応援がくるだろう。なにか良いタイミングさえあれば……。
その時、なにかが崩れるような轟音が背後から聞こえた。
思わず信矢と兵士たちはその方向を見る。
巨人がいた。
25メートルはあろう巨人が、理香と戦っていた。
信矢 (あいつは……)
忘れるはずがない。
深玖の端末から送られてきた写真に写っていた男だ。陸軍総司令、【小島 鉄郎】。
信矢は、反射的にその方向に飛んでいた。
信矢(あいつなら、深玖の居場所を知ってるはずだ)
兵士たちは巨人に気を取られている。それを利用し、信矢はその場を脱した。
だが、一人だけついてきていた。
信矢「腰巾着が……」
秀二「……そうだよ! 僕にはこれしかないから」
秀二が腰にしがみつき、信矢に付いてきていた。
信矢「……問題ない。貴様一人だけならな」
信矢は深紅の刀を振り、秀二の四肢を切断した。
信矢「お前は死ななければ復活しない。さっきまでは兵士が邪魔で無理だったが、今のお前は生きてられるギリギリのラインにいる」
既に毒も尽きている秀二は、このままでは失血死までに数十分を要するだろう。
適当な場所に秀二を投げ捨てた信矢は、そのまま【巨人】のもとへと急行するのだった。




