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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
適応者編
34/112

34 ホルダー4人の報告会


 結局、あの後王城に連れられたアタシたちは、数日休むことにした。


 政明は2日ずっと寝込んでいたし、由美はそれにずっと付き添っていた。たまに見舞いにいくと、由美が数十本の髪の毛を手に恍惚とした笑みを浮かべていたが、アタシは何も見なかったので普通に果物を置いて去る。


 森の方は、消火に昼までかかるほどの大規模なものだった。幸い、あの村の村民以外に近くに人はおらず新たな死体は出てこなかった。


 そして、肝心の村の方は……



小島「村民は全員死んだと伝えました」


 由美と政明抜きの説明を受け、アタシは顔をゆがませた。


サイ「なんで!?」


 すでに死体を見てしまっている政明には隠せないが由美は違う。


 まだ中学生で両親や仲間の死は酷だ。


小島「彼女の称号があればいずれバレます。早くに伝えるのも優しさです」


サイ「………………」


小島「さて、あの少年も起きたことですしそろそろ話してもらいますよ。あの晩、なにをしていたのかを」


 サイは観念したように首を縦に振る。




 私は【聖女】と少年を呼び出すと、髪とペンを用意し聴取を始める。由美の目が少し赤く腫れあがっていた。


小島「なぜ、あの晩あそこにいた?」


政明「村に帰る途中で火事が見えて、家族が心配だから近づいたら煙で気絶して、気づいたらベッドの上にいました」


 聖女を見るが特に反応はない。まあ、彼は嘘を吐かないと事前に聞かされていたので、本命はこっちだ。


小島「で、あなたはなぜあそこに?」


サイ「匿名からの情報でね、あそこにホルダーが現れたって言われて急いで行ったのさ。そしたら火事でそれどころじゃなくて、火傷したそこのガキを見つけて下山してるところにアンタらに会った」


 サイは隣に座る政明に、しれっと触れながら嘘を吐く。もちろん、聖女に反応はない。


小島「その匿名の通報とは?」


サイ「さあな? あっちからの一方的な情報だし、会ったこともねぇ」


小島(嘘は言っていない。それに匿名の連絡か……)


 数か月前の聖女の通報を思い出し、小島はそれ以上追及することはなかった。


小島「大体わかった。今日はこれで終わりだ。由美殿、そしてサイ殿。あなた方には明日からホルダーとして働いてもらう。君はどうする?」


 私は少年――【神村 政明】を見る。


 彼は少し考えたのち


政明「頼れる親戚がいる。そこで世話になるつもりだ」


由美「……え? 政明も一緒にここで暮らそうよ」


 消え入りそうなか細い声で由美は政明の袖を引っ張る。


政明「いや……俺はいい。少し、やりたいことができた。だからここに留まるつもりはねぇよ」


小島「かたき討ちはお勧めしませんが?」


政明「まさか、やるわけねぇだろ」


由美「ならいいけど……」



 そして俺は事前に連絡を取っていた涼斗に迎えに来てもらい鑑定事務所に戻ってきた。



涼斗「大変だったようだな」


政明「随分と他人事だなおい」


 涼斗は事務所のキッチンでコーヒーを淹れつつ、ついでとばかりに話を振る。


涼斗「他人事だからな。俺は他人の人生に興味はない。だから政明君、俺は君に興味はあれど同情はしないよ」


政明「別にいいさ。俺も似たような考え方だしな」


 むしろ、変に心配などされたくはない、所詮、俺は俺なのだ。他人に理解などされたくもない。


涼斗「さて、サイ君がいないが早速クラウンゲームの攻略を始めようか。まず、1番にアタックするのは――【エンド】の連中だ。あそこは組織力もあるし、宝具も持ってる」


 人類最高傑作の俺の相手に相応しい。


政明「具体的にどうすんだ?」


涼斗「簡単だ、おびき出して潰す。神とは自ら向かうものではない。圧倒的存在として迎え撃つ存在さ」


 言いながら俺は、懐から宝具を取り出す。



宝具 

黄金の粘土(ゴールデンクレイ)

効果 生物以外のすべての物を再現。

専用効果 宝具の再現。



涼斗「こいつの情報をエンドに流して釣る。なんでも数年前に【変態(サイコパス)】が入ったらしいしな。そいつをおびき出して叩く。そういえば、【虹のルーレット(レインボールーレット)】はどうした?」


政明「ああ、持ってる。ホルダーの目に触れなければ、持ってくるのは簡単だ」


 あの晩、サイが回収しこっそりと俺に渡してくれたのだ。俺も、ルーレットを机の上に置く。


政明「もしもの時の保険だ。いつでも使えるわけじゃねぇしな」



宝具

虹のルーレット(レインボールーレット)

効果 ホルダー同士の融合。

専用効果 専用武器の生成。



 サイ曰く、この宝具は変身するときに出るナンバーで強さと仕様が変わるらしい。1~7までの数がランダムで決まり、その数に応じたホルダーと宝具がいないと使用することができないのだ。この前『2』が出たのは運がよかった。


涼斗「それなら構わないな。じゃあ、早速町に繰り出すぞ」


政明「具体的にどうすんだ?」


 涼斗は何か考えがあるのか、俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でると、概要を説明しだした。


【裏切者】の指向性はかなり細かく設定できます。

今回のように、気配は消さずに、【聖女】からの真偽判定の能力だけを無効化することも可能です。


超重要なお知らせ

次話を読む前に『9 ハニートラップ』をあらかじめ読むことを強くお勧めします。

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