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クラウンゲーム  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン
変態編 PART2
107/112

107 急転直下


凛「……そうです、早くあの子を」


 しばらく呆然としていた私は、気持ちを切り替えて渚のもとへ向かう。


 渚は、母の凶刃を右肩で受け止めたのだ。いくらホルダーとはいえ子供。あまりにも血が流れすぎている。


凛「まあ、大丈夫でしょう」


 なにか確信めいたものを感じながら、私は手を針状に変形させ渚の腕の内側にある肘正中皮静脈に差し込んだ。


 そして私の血液を送り込む。



 あなたは【賭博師(ギャンブラー)】のホルダーになりました。

 称号取得条件

 世界一の幸運であること。

 特殊能力

 10分だけ、称号の再配置(シャッフル)を行うことができます。

 専用宝具

 漆黒の布



 母すら知らなかった、私の2つ目の称号。6年前に突然授かったものだが、今はその力を存分に利用する。


凛「どうやら、同じA型のようですね」


 次に傷口周りに私特性の髪を結びつけ圧迫させる。止血も完了だ。


凛「あとは……誰かが来て……くだされ、ば……」


 渚の応急処置を完了させ安心したせいか、私は眠るようにその場に倒れ込むのだった。




―――




 何か美味しい匂いを嗅ぎ取り、私は目を覚ました。


凛(……どこ、でしょうか?)


 見慣れない天井とベッドで目を覚ました私は起き上がる。


渚「あっ、目が覚めたようだね」


 横を見れば渚ともう一人、少しワイルドな女性がいた。


渚「紹介するね、ママだよ!」


サイ「初めましてだ、【黒沢 才】という」


 渚の元気な声と共に紹介され、サイはお辞儀をする。


サイ「話は聞いている。アタシたちの娘を助けてくれて感謝する」


凛「いえいえ! お礼を言うのはこちらの方です」


 血を使いすぎたせいかまだ少しふらふらするが、私も頭を下げる。


 だが、ここで少し違和感を感じた。


凛「えっと……あなたが渚さんのお母様ですか。じゃあ、渚さんの脳内にいる方たちは一体……?」


サイ「えっと……それはだな……」


渚「そっちもボクの親だよ。どっちもボクの大事な家族!」


 渚は元気よくサイを抱きしめながら宣言する。


 まあ、つい数時間前にサイと深玖たちは初めて顔合わせをしたので、まだ違和感はあるのだが。


渚「いっぱい家族がいて羨ましいでしょ! あげないけどね」


凛「そうですか。それは良かったですね」


 本当に幸せそうな渚の顔を見て、凜は苦笑する。


 サイは照れ臭いのか、二人に顔を見られないようにそっぽを向く。


サイ「それよりも、クッキー食べないか? ちょうど、うちの大黒柱が帰ってきてお菓子作りをしたんだ。かなり美味いし、是非食べていけよ」


渚「まあ、ボクが作った方が美味しいんだけどね」


 『はいはい』と慣れた様子でサイは渚を連れて階下までいく。私も急いでそれに続いた。


凛「そういえば、下には三人のホルダーの気配がありますね。お父上とご兄弟ですか?」


渚「ううん違うよ。アキ兄ちゃんと~さっきパパが連れてきたお客さんが一人来てるの」


 ボクたちも詳しいことは知らないんだよね~、なんて呑気なことを言いながら渚はリビングの扉を開けた。



涼斗「やあ、渚君。悪いね来客中に」


 リビングにいたのは渚の父親らしきイケメンと兄らしき目つきの悪い青年、そしてもう一人――



「初めまして、お邪魔させて頂いています。【穂塚(ホツカ) 成美(ナルミ)】と申します」



 ガタイの良い、語学が堪能な【翻訳者(トランスレーター)】がいた。



凛「は、初めまして。凛といいます。お邪魔します……」


 この人がピエロか……母の半身を倒した実力者。噂には聞いていたがかなり強そうだ。


サイ「会う予定ってのはそいつのことか。しかも政明も合流してる。……わざわざ連れてきたってことはなんかあるってことか?」



涼斗「いいことを聞いたね。まあ、そこまで重要な事ではない。ただ、()()()()()()()()()()()()()()()()



 その場にいる全員が思わず目を見開く。政明はやれやれみたいな顔をしてるが、とてもそんな状況ではない。


 綾都と戦争!? そんな重要な事を、福引で3等が当たったみたいに言わないでほしい。


涼斗「悪いが決定事項なのでね。参加人数は10人、宝具をかけた最後の戦いを始めようじゃないか」


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