レレレのアガシツクレコード
輪廻転生履歴であるアガシックレコードの話しから、レレレが異世界に転生する審判の話しに繋げますね。
「さて、レムト、この水晶玉に手を置いてくれるかい。」そう言って閻魔大王が指し示す水晶玉にレレレが手を出して触れてみると、水晶玉が一瞬光ってその上の空間にレレレの約五億年くらいの輪廻転生の履歴が表示された。
閻魔大王は慣れた手つきでそれらのディスプレイを整理し始めて、レレレが人として転生し始めたあたりのディスプレイを表示させた。「見てごらん、レムトと僕がゴータマ様に帰依したころのレムトだよ。」
「普通にアホの子みたいだね。」
「しょうがないよね、眠っている間に地球神から記憶情報を全て抜かれてしまっていたからね。3日間眠らないで二人で話し合ってみたけど、レムトは僕と同じくらいに頭がいいよ。でも一晩寝て朝になったら、いつも通り、自分の名前すら忘れていたけどね。今の時点で霊魂だけになったことで、地球神の支配を逃れてから、普通に話してるでしょ。」
「そう言えばそうだね。」
「話を元に戻すと、ゴータマ様に帰依したレムトは、チユーリパンダカという名前を与えられ、ゴータマ様が歩く先の道を掃き清めるという掃除人の仕事を与えられた。そして、レムトことチユーリパンダカは、汚いモノはなぜ汚いのだろうか、という疑問から、浄化の秘術に開眼して悟りを開き、仏弟子16羅漢の最後の1人となった。」
「うん、道端に落ちてる牛糞を履き清めようとしたら、砂のようにサラサラになったので、びっくりしたよ。」
「いやそれ以外に幽霊を彼岸に送ったり、アンデッドや瘴気を浄化したり、死役所の門の前では腐っていく肉体のみを浄化したりしたでしょ。あれ、普通じゃできないことだよ。」
「でも兄ちゃんは、もっとすごかったよね、僕より早く羅漢になったし。」
「そうだね、僕らは最下層のバラモンの家に生まれたから第五天から第四天に昇格するかな、と思ったけど、レムトだけ第四天に行けて、僕は教団の運営に注力したことでペナルティを喰らって、閻魔大王の職務を2千年以上続けることになった。」
「教団を運営したらダメなの?」
「そうだね。バラモン教ができる数百年前に大きな戦争が起きて、サピエンス以外の他人類のほとんどが絶滅してしまった。バラモン教は生き残りの人々が、2度と戦争を起こさないようにするにはどうすればいいか、を考えて作られた宗教哲学なんだよ。」
「そういえば、セックスの方法とか書かれた経典があるよね。」
「あれは、殺し合いなんかするなら愛し合え、という教えだね。戦争をしないためには享楽にふけってもいい、ということなんだよね。」
「ふーん、で教団はどうしてダメなの」
「うん、ゴータマ様は七番目の覚者と呼ばれたけど、ゴータマ様の前の一から六番目の覚者について、僕らは名前も教えも知らないし、教団も残っていないよね。それはね、教団というのは戦争の火種になるから、バラモン教及びその奥義であるウパニシャッド哲学においては教団の作成を禁止してるからなんだよね。」
「じゃあ、覚者になると一人で生きて一人で死ななきゃいけないの?」
「そうだね、ほら、犀の角の教えってあるよね。悟りを開く者は、犀の角のように独りで進め、という独覚の教えだよね」
「あー、それそれ、よくゴータマ様がぶつぶつ呟いてた。近くで掃除してたからよく聞こえたよ。」
「そうか、人がどんどん集まってくることについて、ゴータマ様も思うところあったんだろうね」
「ところで、兄ちゃん、犀の角って、一本じゃなくて2本あるよね。ほら、鼻の先に大きな一本があって、鼻の中ほどに小さなもう一本があるよね」
それを聞いた時、閻魔大王は驚愕して大きく目を見開き固まってしまった。
その時、「ワッハッハ、大いなる智慧者のマハーパンダカもそして私自身もチユーリに一本取られてしまったな」と耳に心地よい優しさの滲み出るような男の人の声がして、部屋の中に光をまとった人が現れた。
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