レレレの審判
いよいよレレレの審判が下ります。
光の人の出現によって、部屋の空気は清浄な心地よい香りをまとい、やがて、光が収まってきて、眉目秀麗なインド人の青年が現れた。
余談ですが、奈良の大仏の顔は、世界の三大悪女の一人、中国の則天武后の顔を模したもので、その後大火事で焼け落ち、江戸時代の職人が下手くそに修復したせいで、ブッダ本人が見たら激怒しかねないものになってるみたいです。
「ゴータマ様、お懐かしゅうございます。」と閻魔大王はひざまづき、レレレは目を輝かせてうなづいた。
「うむ、チユーリが面白い人間を過ごして帰ってきたのを知って、ちょっと会ってみたくなった。それとマハーのこともそろそろ考えないといけないからな。」
「いや、わたしは、結構楽しくやってますよ。それに送り出すたびに何かしでかしてくるレムトのためにも、閻魔大王の仕事は必要ですし。なにしろ閻魔大王になって最初の大仕事は、第四天に行ったはずのレムトが数日で「天国にはゴミがないから掃除ができないよう」と泣きながら帰って来た事件ですからね。」
「あれは笑ったなぁ。前代未聞だった。」
「その後も歴史を変えた大馬鹿者としてタロットカードにフールとして描かれたり、記憶喪失の天使となったり、ニコニコしてるだけで店が繁盛する縁起ものになったり、無名と呼ばれる歴史に名を残さない偉人となったりですからね」
「本当にチューリは面白いよな、今回はとびっきりだよなぁ。」
「なにしろ漫画の登場人物ですからね。ここに来た時は紙のようにペラペラになってました。」
「で、今回の集計はどんな感じかなぁ」
「さて、時間がかかりましたがおっしゃる通り、『最大多数の最大幸福』のパラメータが集計されました。ごらんください。」
「むむむ、なんとしたことだ、レレレ撃ちで死亡者1万人を超えて現在も増加中、と表記があるぞ。チユーリ、おまえ人を殺したのか?」
レレレは、泣きそうな顔で首をブルブル振るわせて否定する。
「あはは、ちょっとからかっただけだ。これはゲームの中でチユーリの動きを真似て射撃するのが流行ってる、ってことだ。大丈夫、お前は人を殺してはいないよ。それどころか、漫画、アニメ、実写版と拡散されまくったせいで、ちょっととんでもないプラス値になってるなぁ。」
「この数値だと第三天に達しますね。」
「さて、チューリよ、どうする?ゴミのない第三天に行くか、ゴミだらけの異世界に行くか、というかゴミだらけの異世界を選ぶよな、お前は。」
「うん、ゴミだらけの異世界の方がいい。」
「よし、よくぞ言った。それではここにおいて、第一天である太陽神の眷属であり、この異世界の管理者でもあるゴータマシッダルタより審判を言い渡す。
① チューリパンダカは取得した幸福値を担保して、異世界に送り出す。
② マハーパンダカは、チユーリパンダカの幸福値の一部により罪を相殺し、閻魔大王の任を解き、チューリと共に異世界に送り出す。
③ 二人とも、異世界では、オリジナルであるハーフリンクとなる
④ マハーとチューリの兄弟は、犀の角のように二人で仲良く、異世界を進め。
以上。」
その声と同時に、二人の体が輝き始め、レレレはインド人の少年の姿のまま、耳が横に長くなった。またその隣りでは、閻魔大王の姿が縮んでいき、レレレに似ているが、レレレより利発そうな耳の長いハーフリンクが現れた。
レレレはそれを見て、兄ちゃん、兄ちゃんと抱きついて泣き出し、マハーパンダカは、レムトと呼びながら彼を抱きしめて涙を流していた。
ゴータマシッダルタことブッダはちょっともらい泣きしながら、「さっき、犀の角の件で一本取られたから意趣返しで言ってみたが、すごく喜んでもらえてよかった。」
と言い、レレレとマハーパンダカとは二人で土下座して何度も頭を下げてお礼を言った。
これにはゴータマも少し照れ笑いを浮かべて、「では、異世界では管理者をしているから、何かあれば連絡するように」と言いながら、出現した時と同様に光を放ちながら消えていった。
奈良の大仏なぁ、やっぱ、あの顔がムカつく。
読んでいただきありがとうございます。




