閻魔大王の講義
ものすごく大雑把に世界感とか説明しますね。
神々しく姿形の変わったレレレと閻魔大王は、ひとしきり再会を祝した。ところが、しばらくして、レレレは、「やっぱり、この姿はしっくりこないね」と言って、元のインド人の少年の姿に戻ってしまった。
レレレの兄であり、今は閻魔大王の姿を見せている、マハー・パンダカは、「相変わらずだね、ゴータマ様に帰依したころのその姿が一番好きみたいだな」と言いながら、レレレを誘って、一つの部屋の中に入って行った。その部屋には大きな机があり、巨大なディスプレイがその机の上の空間に展開されていた。
「何か、コンピュータみたいだね」というレレレの呟きに対して、「そうだね、これは霊魂のアガシツクレコードを含む地球神の情報を集積したスーパーコンピュータのようなもので、私たちはこれを、バーニャハラミタと呼んでいる」とマハー・パンダカは答えた。
「それって、いわゆる、般若波羅蜜多ってことだよね」
「その通り、これを使って、現在の状況を説明しよう」
そう言ってマハー・パンダカはディスプレイに地球と月の映像を映し出し、その映像を操作しながら現状説明を始めた。いわく
46億年もの間、3500度以上の体温を維持している地球は惑星型生命体であり、その力は第二天の神に匹敵する。
約10億年ほど前に、地球神の眷属である月が重力を削られたことで二酸化炭素をメインとする温室効果ガスの大気を失って、衛星としての温度が下がり始め、仮死状態に陥ってしまった。
地球神としては、地球神自身が動いて、月を修復したかったが、そうすると月は地上に落下して修復不能になるので、約10億年前から、地上に生命体を創造し、進化した彼らによって、月の復興を行わせようとしている。
初期の岩石型生命体はすでに月面で活動しているが、タンパク質型生命体の人類は、肉体が脆く月への到達か難しいので、五万年に一回くらいのスパンで五回ぐらいやり直し創造している。現在の人類はゴブリン混血型人類で、知的能力はあるが、自らの攻撃的な性格により自滅する可能性があり、地球神としては自滅したら再度人類創造を繰り返すつもりで静観している。
人類は肉体と、地球神の生命エネルギー体である霊魂の二つが合わさってあり、地球神の一部でもある霊魂はヒエラルキーの上位を目指すことで、地球神のパワーをもたらすことができる。
霊魂のヒエラルキーは、天国(36天)、人間、畜生、地獄(48獄)となっていたが、最近は職業が複雑化した関係で天国と人間の間に異世界を設けて、評価することが難しい霊魂の再評価試験の場としている。
「えー、兄ちゃん、ちょっと待って、職業の複雑化って、なに?」とレレレは閻魔大王の言葉を遮った。
「端折り過ぎたかなぁ。僕らが生きてたころ、天国から人間に降りてくる時は、その天国に応じて、職業を決められたよね。例えば、第六天の霊魂であるゴータマ・シッダルタ様は、クシャトリア(武家)のトップである王族の家に生まれたよね。同じように武家の棟梁の家に生まれたから、織田信長は第六天魔王を自称したんだね。それが本来のカースト制度の意味だったんだが、現在は職業選択の自由から、商人の家に生まれた子がお坊さんになったりしてるよね。サラリーマンって、第何天の職種か分からないよね。職業遠選択する前に死んでしまう人もいるよね。だから、そうしたどの天国に送るべきか分からない霊魂を分別するためにもう一度わかりやすい世界で人生をやり直して、どの天国に送るか再評価するために、異世界という世界を作ったんだよね。」「ふーん、じゃあ、異世界って、天国に入るための予備校みたいな感じかなぁ」とレレレはつぶやいた。
「なるほど、うまいたとえをするねぇ。ちなみに、レムトも異世界に行くことになると思うよ。」
そう言って、閻魔大王は、レレレのアガシックレコードを表示し始めた。
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