転移決定
徒然なるままに・・・
||この世界の真理、人は如何にして知れよう?
||真理知るもの、それは運命のマリオネット
急にフラスコが光り出し、実験室中にあらゆる音階の鐘の音が鳴り響いた。その場にいた皆は何が何だか分からず、ただ呆然としていた。
「・・・な、なんだ?」
「赤い・・・石?」
「ま、まさか・・・賢者の石!?おい!ご主人様を呼びに行ってくれ!」
『待て。』
「「「!!!」」」
見張り達が侯爵を呼ぼうとした時突然、フラスコの方から声が聞こえた。その声は男のもののようであり、女のものでもあるようだが、同時にどちらでもないようであった。
「・・・あんた誰?」
ヘルメスは聞いた。
『我は全ての源にして完全なるものから生まれし存在。我はそこの赤き物より生じ、その物の意思によって話している。賢なる者よ、其方は完全なるものに認められ、これを得たのだ。さあ、これを手に取るが良い。』
何が何だかサッパリ分からん。そもそも賢なる者とは誰の事だ?で、ここにある赤いものって、そのフラスコにあるものだし、声もそこから聞こえるのに何故、違う存在みたいな言い方するんだ?戸惑って見張りの方を見ようとした。その時・・・
「っ!!」
何これ!?皆動かないで不自然に止まってるよ!?それを察したのか、
『なに、ちょっと都合悪いから時間を止めて、我々が時間の狭間に入っただけだ。』
悪びれもせずそう言い放ってきた。
「・・・で?俺をどうするつもり?」
『む?まさか気付いておらぬのか?其方は賢者の石の精製に成功したのだよ。』
「またとんでもないことを言い出すな、アンタ。
でもそれなら何でこんな声で語ってくるわけ?別にいらなくね?」
『まあ、普通ならそうだ。しかし、貴様は少々特殊だ。』
そう言って声は語りだす。
『賢者の石とは、本来人間の精製出来るものでは無い。それを精製できるのは、世界に認められた時のみだ。普通なら、精製を試みた錬金術師のいる世界に認められるのだが、其方は何故かこの世界の上位世界にまで認められたのだ。すると、認められた世界が重複してしまい、両世界に同人物がいるという矛盾を引き起こす。ここで、貴様には一つの選択をして貰う。第一に、今いる世界に残り、余生を過ごす。賢者の石も問題なく使えるだろう。しかし、使い方などは全て秘匿されているし、使った後はなくなる。そして第二に、先程言った上位世界に移って貰う。この場合は賢者の石は消えるが、賢者の石に備わっている全ての能力を使用できる。又、エネルギーさえあれば何度使っても使えなくなることはまずない。但し、この世界よりは危険が多い事は忠告しておく。』
「・・・随分親切に教えてくれるけどなんか誘導してない?」
『・・・気のせいだ』
なに?今の間は。まあ、いいけど。
そこで考える。別に賢者の石は好き好んで研究していた訳ではない。言う通りにしないと飯が貰えないから言われた通りに研究したのみだ。しかし、これをあの馬鹿親に使われるのも癪に触る。それに引き換え、上位世界なら知り合いもいるはずが無いし、正に自由の支配する世界だろう。(故に危険なのだろうが)ここは、上位世界とやらに連れてって貰った方が良いのではないか?
「よし、上位世界へ連れてってくれ。」
『相分かった。では、賢者の石を持ち、ここを潜り抜けるが良い。詳しい話はまた後だ。』
瞬間、前方にゲートのようなものが現れた。ヘルメスは、戸惑うことなくそれを潜り抜けた。
言いそびれてましたが、錬金術に関する内容はなるべく実際にある資料を元に作成しています。つまり、真実が結構あったり・・・




