序章
初投稿となります。至らない所が多いでしょうが、宜しくお願い致します。投稿は恐らく不定期なので、ご勘弁下さい。
||光のある所に闇があるように、闇のある所に光がある・・・とは限らない。
||全てを闇が覆いつくす時、光は何処にあるのだろうか・・・
ヘルメスは作業しながらただひたすらに考えていた。何故人は存在し、世界は何処から生まれ、そして全てはいずれ消えて無くなってしまうのか。何故生と死が存在し、人が死を拒むのか。僅か10歳の少年が考えるような問いではないが、これには訳がある。
ヘルメスは本名をヘルメス・フォン・イデアと言い、イデア侯爵家の長男である。見た目は青い目に堀の深いどこにでもいそうな顔立ちだが、その身長と聡明そうな雰囲気もあり、どこか大人びて見える。かなりの早熟で、6歳にして学者達と対等な会話が出来る程であったが、そこはやはり子供、精神面はまだまだ親に甘えたい子供であった。
しかし、親は侯爵家にありがちな世界は自分中心に回っていると思い込んでいるような人間で、大して財産もないくせに贅沢三昧をしていた。領民の税収も上がる一方であり、不満が目に見えて溜まっているのだが、この侯爵は気付きもしない。
そんな親なのによくヘルメスは我儘にならなかったとも思うが、先程述べたように彼は早熟だったのだ。歪んだ親を見て忌避かんを抱いたのも当然といえよう。
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「はぁ~。」
ヘルメスは溜息を吐いた。今彼は、家の地下の実験室にいる。強欲な人間は何時でも楽して稼ごうとするものだ。この侯爵は、早熟なのを良いことに賢者の石を子供に研究させ、儲けようとしているのである。当然技術の流出防止の為、見張りが4名いつでもついているので、息抜きも出来たものじゃない。そんな中、きちんと研究しようとするはずも無く・・・
(なになに?硫黄と水銀をそれぞれ純化して混ぜ合わせ・・・面倒だ。これをこうして後は蒸留でもしてりゃ良いだろ。)
(※良い子の皆さん、絶対に真似しないように。毒だし、実験こんな適当にしたら普通に危険です。)
「おい・・・おい、ヘルメス!そんな適当に操作して大丈夫なのか?」
見張りが恐る恐る聞いてきた。うん、普通に危険だね。けど別に自分の損害になるわけじゃないし、いいじゃん!
「大丈夫大丈夫!まあ、失敗してもその時だよ!」
「やっぱ心配だわ・・・あんまりふざけるとご主人様に報告するぞ?」
「うわ~、それは勘弁。わかったよ、ちゃんとやるよ・・・」
ま、これが終わってからね。偶然でも何ができるかわからないし。
と、そんな時であった。急にフラスコが光り出し、実験室中にあらゆる音階の鐘の音が鳴りだしたのは。




