宴の開幕
特にする事がなく退屈していたラオト達は、せっかくなので兵士達とともに宴の準備を手伝う事にした。シュミトにそう伝え建物を出ると、そこには鎧を着たまま、急いで宴用の飾りなどを運んだり、大至急飾り付けを施している兵士達で溢れていた。そして奥の方に、兵士達に指示を出すシュデンの姿があった。
ラオト達は兵士達の邪魔にならないようにシュデンの元へ向かった。
「おや?勇者様ではないですか、何か私めに御用ですかな?」
「あぁ、俺達も宴の準備を手伝いたいんだ」
「な、ななななななんと!!!」
シュデンは膝から崩れ落ち、その場で滝のように涙を流した。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!勇者様方はぁぁぁ!!なんてお優しいんだぁぁぁぁ!!」
そのシュデンの声は瞬く間に辺りに広がり、兵士達は大きな歓声を上げた。
「流石勇者様だ!!!」
「勇者様がいれば百人力だ!!!」
シュデンもその歓声に応えるべく、勢いよく立ち上がり、辺りにいた兵士達に大声で指示を出した。
「皆の者!!!勇者様御一行が我々に力を貸してくれるのだ!!!勇者様御一行に恥をかかせぬよう!!誠心誠意取り組むのだ!!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
その鼓舞の力は凄まじく、兵士達はより一層機敏に動くようになり、そこにラオトとスティアとアレスの魔法による補助、ホルスの怪力、ウィンディの俊敏な運びも加わり、無事に暗くなる前に宴の準備を終えることができた。
そして、空が暗くなり始めた頃、町の中心の広場からとても良い匂いが漂い始めていた。広場には町中の料理人が集まり、キオンを倒した勇者達を祝うべく、広間に用意された大きな鍋で料理を作っていた。そして、勇者達を祝う為、町中から人々が集まり、広場はとても賑やかになっていた。できた料理をお皿に盛っていき、広場に集まる人全員に配り終えた時、シュデンが広場にある台に乗り、開宴の辞を始めた。
「ヴェルンドの者達よ!我々を長年苦しめてきたキオンが、ついに勇敢なる5人の勇者達によって打ち倒されたのだ!!」
そう言うと、シュデンは後ろに立つ5人の勇者達を、ヴェルンドの者達に向けて紹介した。
「風属性の騎士ウィンディ!!豪傑な槍の使い手ホルス!!大天使スティア!!大悪魔アレス!!そして、土の魔法使いラオト!!この5人の勇敢な活躍により、プリズン山脈は魔王軍の魔の手から解放されたのだ!!その事を祝い、今夜は盛大に楽しむのだ!!」
「うぉぉぉぉぉ!!」
「おぉぉぉぉぉ!!」
こうして、ヴェルンドの町では5人の勇者の為の祝いの宴が開催されたのだった。




