城の探索結果
ラオト達5人とシュミトが、大きな建物のシュミトの部屋へと戻って来ると、そこには既に二人の兵士、そしてあの時の門番もといシュデンが待機していた。その3人はラオト達が部屋に入って来ると、大きな声でラオト達を出迎えた。
「勇者の皆様ぁぁ!!我々、無事に城の探索を終えて戻りましたぞ!!」
「あぁ、ありがとうな、それとお疲れ様」
「勇者様からの労いの言葉!!身に余る光栄ですぞ!!」
「うぉぉぉぉ!!ありがとう勇者様ぁぁ!!」
そう言うと、感極まったシュデンと二人の兵士は、その場で泣き出してしまった。
「オホン!シュデン!勇者様達の前でみっともないぞ、泣くならせめて部屋の外で泣くんだ」
「分かりましたぞ親父殿ぉぉぉ!!」
シュデンと二人の兵士は泣きながら部屋を出て、そのまま扉越しでも聞こえるほど大きな声で泣き続けた。それからしばらくし、ようやく鳴き声が収まると、シュデンと兵士達は恐る恐る部屋へと戻ってきた。
「皆様、お見苦しい所を見せてしまって申し訳ございませんでした!!」
「大丈夫大丈夫、平気だよ」
「シュデン、勇者様達が待っておるぞ、早く城について分かった事を説明するんじゃ」
「そうだった!それじゃあ皆様、まずはこれをご覧ください!」
そう言うと、シュデンは鎧の中から一枚の大きな紙を取り出し、それを目の前の机の上に広げた。その紙はキオンの城の構造や部屋などが、とても詳細に書かれており、どこになんの部屋があり、何があったのかが一目で分かった。
「おぉー!凄い!これあの城の地図か?」
「おっしゃる通りでございます、我々黒鉄兵が昨日今日で完成させた城の地図でございます」
「凄いな、言動の小物っぷりに反して、物凄く優秀じゃないか」
「有り難き褒め言葉!!私!感激のあまり涙がぁ!」
シュデンはまた泣き出しそうになったが、必死に涙を堪えた。
「それで、何か凄い物を見つけたと言っておったが、それは何じゃ?」
「あぁ、それがなんですが、その物は動かす事が出来ず、城に置いてきてしまったのです、代わりにその物を魔水晶に写してきました、それがこちら」
シュデンが合図を出すと、後ろにいた兵士が丸い魔水晶を取り出し、それを机の上に置いた。そこに写されていた物に、ラオトは衝撃を受けた。その魔水晶には、まさかこの世界で目にするとは思わなかった、あの物の姿が映っていた。
「ええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ラオトは驚きのあまり、そのまま後ろに倒れてしまった。
「勇者様!!大丈夫でございますか!?!?!?」
「あ、あぁ、俺は大丈夫だ」
「どうしたのラオト?急に大声なんてだして」
「本当だぞ、俺ビックリしちまったじゃないか」
「ごめんな、ちょっとこの物に心当たりがあってな」
「それは本当か!」
「あぁ、ただ見た目だけかもしれないから、実物を見てみたいんだが、、、」
「もちろん!喜んでお連れしますぞ!!ただ、、、」
シュデンは声を小さくし、申し訳なさげにラオトを連れていけない理由を話した。
「実は、、、我々、これから宴の準備を手伝わなくてはならないのです、、、なので勇者様を連れて行くことは、、、本当に申し訳ございません!!!」
「えぇ!町に帰ってきたばっかなのに、もう次の予定があるの!?」
「はい!ヴェルンドの防衛から雑用まで!それが我々黒鉄兵ですから!!」
「そうだったのか、無茶言ってすまなかったな」
「その代わり!!明日は必ず勇者様を案内してみせますので!!」
「あぁ、じゃあ明日よろしくな」
「了解いたしました!!それでは我々はこれで!」
そう言い、シュデンと兵士達は部屋から出て行った。
「、、、黒鉄兵も変わったねぇ」
「、、、平和になった、という事だ」
今の黒鉄兵の様子を見て、スティアとアレスは昔の黒鉄兵の事を思い出していた。スティアとアレスが思い出していた黒鉄兵の姿は、鬼のような形相をし、目の前に立ちはだかる者を、持ち前の黒い剣や槍で次々と斬り伏せていく、そんな狂気の軍団であったが、今の黒鉄兵は、戦闘だけでなく、雑用も任されるようなほのぼのとした軍団になっていると知り、二人はどこか嬉しいような、寂しいような、そんな気持ちになっていた。




