墓穴を掘る
「ところで、その虫、、、魔道具は、シンとどんな関係なんだ?(まぁ、大体予想がつくけどな)」
「お主は目の付け所が良いのう、実はこの魔道具はじゃな、シンが直接発明したものではなく、シンがもともと持っておった、この世に一つしかない特別な魔道具なのじゃ!」
そのシュミトの回答は、ラオトにはおおよそ予想できた内容であった。
「(やっぱりそうか、俺で言う塩みたいな物だな。それにしても、俺もシンもあっちの世界では一般的に普及していても、こちらの世界では無い、もしくは珍しい物を持ってこの世界にやって来ている、これは偶然なのか?)」
ラオトが一人で考えている隙に、ウィンディやホルスは次々にシュミトへ質問を投げかけていった。
「それって結局どんな魔道具なの?シンが最初から持っていた魔道具って事は、相当凄い物っぽいけど」
「それがじゃな、シンが持っていたからといって、何か凄い機能があるという訳じゃないんじゃ、物を大きく見れたり、火をつけられたりと、普通の魔道具と大差ない性能なのじゃ」
「なぁ、そんな価値のある物を持ち歩いていいのか?普通は然るべき場所で保管とかされてるんじゃないか?」
「あぁ、この魔道具はヴェルンドの町長が責任を持って保管することになってあるんじゃが、、、この魔道具の性能が考古学の調査にピッタリでのう、小さな文字や壁画の細かい部分を見るのに、ちょっとばかし使わせてもらってるんじゃ」
「そんなんで大丈夫なのか?」
ホルスが魔道具の管理体制を心配する中、ウィンディがシュミトと初めて出会った時のことを思い出した。
「あ!そういえば、シュミトさんが私達の事を盗賊と勘違いしてた時、その魔道具をあっさり私達に渡してたよね!それってヤバいじゃん!」
あの時の事をウィンディに問いただされたシュミトは、額に汗をかきながら、必死にウィンディに弁明した。
「あ、あれはじゃな、お主らがこの魔道具を含め、歴史的価値のある物を狙っているのだと思っておったから、ついつい出してしまったんじゃ」
「ちょっと待て、その言い方ってつまり、あの場に出された道具には、他にも歴史的価値のある物が含まれていたのか!?」
一人で色々と考えていたラオトも、シュミトの衝撃の告白に思わず顔を上げ、ウィンディと共にシュミトを問いただした。墓穴を掘ってしまったシュミトが慌てていると、アレスがあの時の状況を二人に説明した。
「二人共落ち着きたまえ、シュミトが道具を持ち歩いていたのは、我がお願いしたからなのだ」
「え?なんでだ?」
「歴史の話を聞くのだから、せっかくなら実物も見たいと思ってな、シュミトに前もってお願いしていたのだ」
「そ、そうじゃ!だからワシはあの時に道具を持っていたんじゃ!ワシは悪くないぞ!」
「そ、そうなのか、、、」
アレスから説明を聞き、一応納得?したラオトとウィンディは、その件の話は終わりにし、再度壁画についての話に戻っていった。




