ようやく始まる解説
ホルスが己の魔力をほとんど全て使って作り出した光源により、広間は明るく照らされ、今まで見えなかった場所の壁画なども見る事ができるようになった。壁に描かれた壁画は、柱を境に何個かの場面に分かれており、穏やかな町並みがえがかれたものもあれば、中には戦っている様子が描かれているものもあった。そして、それらの壁面には全て共通して、特徴的な服装の人物が描かれていた。
「オホン、それでは改めて始めるぞ、まずはここらにある壁画についてじゃな」
シュミトは壁に描かれた壁画を指しながら、ラオト達に解説を始めた。
「ここにある壁画達は、およそ1000年ほど前にヴェルンドの者達により描かれた物とされており、ヴェルンドの昔の姿や、昔の戦い方を見る事ができる、非常に貴重な代物じゃ」
昔の戦い方を見れると聞き、ラオトは戦場の様子が描かれた壁画を見てみると、確かにアレスやスティアの言う通り、輿に乗った人が兵士達を指揮しているのが見て取れた。
「(本当に昔の人は輿に乗って指揮をしていたんだな、確かなカッコいいな、、、スティアが憧れるのも無理ないな)」
ラオトが戦場の壁画を見ていると、やはりその壁画にもとある人物が写っていた。
「皆、壁画を見てみて、何か気づいた事はないか?」
「うーん、ヴェルンドの黒い服装の中に、一人だけ白い服の人が混じっている事?」
ウィンディのその言葉に、シュミトは大きな声で返した
「そうじゃ!皆もその者が気になったであろう?」
「そうだな、どの壁画にも必ず入っているし、一体何者なんだ?」
ホルスが不思議そうに尋ねると、またもやシュミトは興奮した様子で返した。
「そうじゃそうじゃ!気になるじゃろう?ちなみにじゃが、お主が気になっていたこの魔道具も、この者が関係しているのじゃ」
シュミトはラオトの方を見ながら、ローブから前の虫眼鏡らしき物を取り出した。しかし、虫眼鏡にその白い服の人が関係している事など、ラオトはすでに分かっていた。
「(そりゃそうだよな、あんなフード付きの服を着ている人なんて、俺と同じ異世界人しか有り得ないし)」
ラオトは心の中でそう思いつつも、分かっている事を表情には出さずに、真剣にシュミトの話を聞き続けた




