おじいちゃん
対天魔用魔力制限印の話を遠くからこっそりと聞いていたアレスは、意外と悪くないシュミトの会話の内容に、やはり自分も混ざりたくなってしまい、壁画の近くからコソコソと5人に近づいてきていた。
「それで、この印ってどんな効果があるんだ?」
「このタイプの印は、対象の魔力低下、活力の低下、それと対象に強い恐怖心を与える効果があるそうじゃのう」
「活力の低下、それに強い恐怖心ねぇ、、、」
その状態に心当たりがあった4人は、こちらに少しづつ近づいてきているアレスの方に振り向いた。
「魔王軍と渡り合った凄い悪魔か、中々嬉しい言われようだな」
アレスは胸を張りながらラオト達の方へやってきた。
「え、え?、え!?、この印の対象って、本当にアレスなの!?」
「そうだ、これは我を恐れた魔王軍が作った魔法陣なのだ」
「魔王軍が恐れた悪魔って、アレスの事だったのか!」
「まぁ、昔にな」
「過去の栄光、だねぇ」
スティアがからかうようにアレスを挑発したが、アレスは反発せずに、むしろその言葉を認めていた。
「、、、今回ばかりは堕天使に言い返せないな、我も昔は魔王軍相手に1人で奮戦する程強かったのだがな、、、今や十災魔神一人相手にも苦戦するほどになってしまった」
「、、、えっと、失礼かもしれないけど、それってなんでなんだ?魔法の訓練をサボっていたからとか?」
「そうではない、我は堕天使のようにサボったりはせず、毎日のように魔法を鍛え続けていた」
「それじゃあなんでなんだ?」
「、、、優秀な魔法が増えたからだな」
「優秀な魔法が増える?魔法が増えると、なんでアレスが弱くなるんだ?」
「我々のような古い者にとって、最近の魔法は複雑で便利すぎるのだ、最近の魔法を習得するのに我が苦戦している間にも、新しく生まれた若者達はそれらの便利で強力な魔法を次々と取得していく、我が使う鍛え上げられた古い魔法も、未熟者の使う最新の魔法には敵わないと言う事だ、その最新魔法の使用者が、さらに魔法を鍛えたなら尚更だな」
「なるほどな、長生きするのもなかなか大変なんだな」
「まるで時代に取り残されたおじいちゃんみたい!」
「なんだと!堕天使こそ、使用するのは古い魔法ばかりではないか!」
「フン!私は覚えるのがめんどくさいから古い魔法を使ってるだけだし!私が本気になれば、最近の魔法なんて一瞬で覚えられるもん!」
アレスとスティアが言い合う中、シュミトは衝撃のあまり固まっていた。
「ほ、本当じゃのか、、、?」




