合流
羽織に付いているブローチの模様が意味する事も無事に分かり、心のモヤモヤが一つとれたラオトは、駆け足で皆が待っている書物庫へと向かった。
書物庫に入ったラオトは、一昨日シュミトと出会った通路の前へとやってきた。その通路は一昨日と変わらず、一寸先見えないような暗闇であったが、今日の通路は少し違った。通路の中央にほんのりと薄い黄色いモヤのような物が浮かんでおり、まるで道順を示しているかのように、通路に沿って続いていた。そのモヤからは、どことなくスティアのような気配を感じた。
「これは、、、スティアが残していったのか?」
ラオトは、通路には浮かぶそのモヤを追って暗い通路を進んでいった。
モヤを追い始めてからしばらくすると、だんだんと皆が雑談する声が聞こえ始め、さらに進んでいくと、ラオトは広間にたどり着き、そこにはシュミトと他の4人が待っていた。
「みんな、お待たせ!」
「おっ、きたな」
「あぁ、遅くなってすまないな、それにしても、あの目印を残してくれたのはスティアか?助かったよ!」
その言葉に、スティアは誇らしげに答えた。
「えっへん!私は気遣いができちゃうから、これくらい朝飯前よ!」
「昨日は行かないなんて言ってたのに、今日はやけに乗り気だな、一体どうしたんだ?」
「いやぁ、私も考古学に興味が湧いちゃってね」
「ほぉ!お主がそう言ってくれるとは、嬉しいのう!」
「まぁね、それよりおじさん、ラオトも来たんだし、早速始めちゃおう!」
「分かってあるわい、それとラオトよ、一ついいかな?」
「なんだ?」
「今日のワシはヴェルンドの町長ではなく、考古学者のシュミトじゃ、だからかしこまった態度はせずに、おとといのように気軽に話しかけてほしいんじゃ」
「分かったよ、それじゃあおじさん、よろしくな」
「ありがとうのう、こっちの方が、ワシも考古学者になりきれるわい」
ヴェルンド町長のシュミトではなく、考古学者のシュミトとなったシュミトは、しっかりと考古学者になりきり、5人に考古学を教え始めた




