解説
予定よりも1日早く、そして考古学者という身分ではなく、ヴェルンドの町長としてのシュミトと再開する事になったラオト達。しかし、既に顔見知りだったシュミトとラオト達は会話に緊張する事はなく、昨日のように和気藹々と話をすることができた。
「まさか、たった3人だけでキオンを討伐するとはのう」
「まぁ、倒したってよりは、キオンが降伏してきたって感じだけどな」
「なんじゃと!あの荒くれ者のキオンが降伏したじゃと!?」
「そうそう、ラオトが自作した土魔法でキオンの体を地面に埋めて、身動きが取れなくなった時に降伏してきたの」
「自作の土魔法じゃと?一体どのような魔法なんじゃ?」
「えーっとだな」
ラオトは身振り手振りを使い、シュミトに自作魔法の原理を説明した。
「まず近くの地中にある水源からキオンの足元の地面に水を持ってくる、そしたら水と土がうまい具合の比率になるように混ぜ合わせ、キオンの真下に沼を作り出したんだ」
「沼?大陸の東側に多く存在する地形のことじゃな?」
「あぁ、恐らくあっている筈だ」
「その沼を魔法で作り出すじゃと!?沼は東側の地域にしか現れない特別なものじゃなかったのか!?」
「そうだ、水と土を魔法で上手く混ぜ合わせれば、一応どこでも作り出す事が出来るんだ」
「なんと、、、それで、その沼はキオンに対し、どう使うのかのう?」
「その沼は、俺が比率を調整した事によりできた、非常に粘度の高い泥でできているんだ、そこにキオンが足を踏み入れたが最後、キオンの体は自分の体重により、粘度の高い沼にどんどんと沈んでいくって訳だ」
「粘度の高い泥、つまりスライムのようなものじゃな?」
「そうだな(この世界にスライムっているんだ)」
「なるほどのう、確かにスライムに捕まると抜け出すのは非常に困難じゃな、それを土魔法で再現できるとは、、、しかしじゃ、キオンならスライム如きに捕まっても、その驚異的な身体能力であっという間に脱出してしまいそうじゃが、、、」
それを聞いたラオトは、待ってましたと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべた。
「フッフッフッ、それがこの沼、底なし沼の特徴さ!この底なし沼はな、対象が抜け出そうと暴れれば暴れるほど周りの泥が柔らかくなり、かえって対象が沈んでいくのさ!(たしかチキンなんとか、みたいな名前だったような、、、)そして対象が暴れるのを止めると、周りの泥はどんどんと硬くなっていき、対象を地中にガッチリと固定するんだ!」
「なんと!その魔法、相手の捕獲に都合の良い機能ばかりじゃないか!そんな魔法を思いつくとは、お主は本物の天才じゃ!」
「ま、まぁな、、、はは」
ラオトは、この底なし沼の仕組みを発見したのが自分の手柄のように扱われている事に、元いた世界の底なし沼の仕組みを解明した人達に対し申し訳ない気持ちになっていた。




