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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
プリズン山脈

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73/104

実験

ラオト達が城に入り、キオンとの激闘を繰り広げていた頃、城の外で待つスティアとアレスの方でも、とある出来事が起こっていた、、、


「ふぁぁー、暇だなぁ」

スティアは石の上に寝っ転がりながら、3人が帰ってくるのを待っていた。

「何か良い暇つぶしとかないかなぁ、、、あ!そうだ!」

スティアは何か良い事を思いついたのか、寝っ転がるのをやめ、勢いよく石から立ち上がった。

「アイツ(アレス)って今、調子悪いんだよね、それなら私の新作回復魔法の実験台になってもらお!」

スティアはウキウキな様子で、アレスと別れた方面へ向かって行った。その場所へ着くと、そこには魔力が抜け、ぐったりとした様子のアレスが座っていた。

「よーよー、元気?」

「、、、これで元気だと思うか?」

「元気じゃないと思う」

「、、、今は堕天使の冗談に付き合える程の体力は無いんだ、どこか行ってくれ」

「えぇー?私を追いやっちゃうの?せっかくアンタに効く回復魔法があるのに」

「、、、何だと」

アレスはスティアの冷やかしかと思ったが、謎に自信に溢れた様子のスティアを見て、嘘では無いのかもと疑い始めた。

「本当に我に効く回復魔法があるのか?」

「(おっ、食いついた!)そうそう、実は書物庫で回復魔法に関する本を読んでたら、悪魔に効く回復魔法の配合を思いついたの!」

「、、、」

スティアの「思いついた」という言葉により、アレスのその魔法に対する信憑性はほぼゼロになってしまった。

「、、、やはりこの件は無かった事にする」

「ねぇー、ねぇー、そんな事言わないで、効果は確かなはずだから!、、、多分」

「我に試して欲しいなら、いちいち多分とか思いついたとか言わない方が良いぞ」

「じゃあ撤回!この魔法の効果は絶大だよ!、、、恐らく」

「話を聞いていなかったのか!?被験者を不安にさせるような言い回しはやめるんだ!」

「、、、あれ?って事は受けてくれるの?」

「、、、我も暇だったからな、それより、本当にその魔法は大丈夫なのか?下手したら我が死んでしまうぞ」

「それは本望、、、じゃなくて安心して、一瞬で終わるし、光魔法の量も少ないから、アンタみたいに少し強い悪魔なら耐えられると思う、、、きっと」

スティアの言動にアレスは不安しかなかったが、一度受けると言ってしまった以上、このままビビって辞めてしまうのは己のプライドが許さなかったアレスは、身体中にありったけの対光魔法の魔法を張り巡らせ、ついにスティアの実験に付き合わされる事になった。

「それじゃあいくよ」

「、、、あぁ」

アレスは目を瞑り、スティアの魔法を待った。

「、、、まだか?」

「ちょっと待って」

「、、、、、まだか?」

「もうちょっと待って」

「、、、、、、、ま!!!!」

アレスがスティアに3回目の催促をしようと体の力を抜いた時、アレスの身体中、その中でも主に頭の部分に尋常ではない激痛が走った。

「あ、頭が、、、」

アレスが地面に倒れると、ちゃんと魔法が成功した事を確認したスティアが、アレスの側へ近寄った。

「、、、死んじゃった?」

「、、、危うく本当に死にかけたぞ」

「あっ、生きてる、どう?今の体調は?」

「、、、何!?」

アレスは痛み以外の身体の変化を確認してみると、あのマークを見て以来、ずっとアレスの心を制限していた窮屈感が全てなくなっていた。それに伴い、アレスは自身の力の殆どを取り戻していた。

「身体が、、、軽いぞ!」

「そりゃ、魔力で出来てるんだから当たり前でしょ」

「そうではない、身体が重い鎖から解放されたかのように軽いのだ!」

アレスは試しに、近くの木に向かい闇魔法を放ったが、その魔法もいつも通りの威力に戻っていた。

「まさか、本当に完治できるとは、、、」

「でしょでしょ!どう?私って天才じゃない?」

「、、、今回は認めざるを得ないな」

アレスはスティアに色々聞きたい事があったが、今は久しぶりに重りが消えた身体を、存分に堪能する事にした


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