キオンの提案
3人がキオンとの戦いの勝利に喜び合っていると、目の前で騒がれている事を鬱陶しく思ったキオンが、3人の会話に横槍を入れた。
「あのなぁ!俺達は動けないだけでなぁ!まだやられた訳ちゃうねん!!調子乗んなや!」
「動けないのはぁ、ほぼ負けと同じだけどねぇ」
「うっさいねん!!それより、早よ俺達をどうするのか決めろや!」
真ん中の顔の言葉にふと我に返った3人は、喜び合うのをやめ、これからの行動について話し合い始めた。
「そうだよな、倒して終わりじゃないんだもんな」
「そうだね、キオンの処置、それから魔法陣も探し出さないと、、、」
「まだまだやる事が山盛りだな」
3人がこれからどう動くかについて悩んでいると、右の顔の耳元に米粒サイズの小さな何かが飛来した。しかし、3人は話し合いに夢中で、その事に気づく事はなかった。
「、、、りょーかーい」
右の顔がそう小さく呟くと、話し合いが難航するラオト達に対しとある提案をした。
「話し合いが詰まっているみたいだねぇ」
「まぁな、キオンの処置は重要な問題だし、そう簡単には決められないんだよな」
「そっかぁ、それじゃあさぁ、僕から一つぅ、提案したいんだけどぉ、良いかなぁ?」
「提案?何かあるのか?」
「君達はぁ、この城にある魔法陣が欲しいんでしょ、ならぁ、城は君達人類に渡すからぁ、僕達を解放して欲しいなぁ」
「城を渡す?って事は、魔王軍がプリズン山脈から立ち退くって事か?」
「そうそうぅ、その代わりに僕達を解放するぅ、どうぅ?悪くないと思うけどぉ」
「そんな重要な事をキオン達だけで決めて良いのか?」
「まぁ、細かい事は気にしないでぇ」
「うーん、俺はそれで良いと思うけど、、、二人はどうだ?」
「私もそれで良いよ、プリズン山脈から魔王軍が居なくなる影響は凄く大きいからね」
「俺も同感だな」
「よし、それじゃあ決まりだな、約束はちゃんと守れよ」
「安心してぇ、僕はぁ、そんな卑怯な事はしないよぉ」
ラオトが魔法を解除し、キオンの体が出られる程のスペースを開けてあげると、地面から勢いよくキオンが飛び出した。約束通り、3人を襲う様子はなく、外に出ると体をのびのびと伸ばしていた。
「、、、自由になった!!!」
「それじゃあぁ、僕達は約束通り出ていくねぇ」
「次あった時は覚悟するんやぞ!!」
そう言い残すと、キオンはドスドスと足音を立てながら、城の通路を走っていった。
「行っちゃったね」
「そうだな」
「まぁ、これで敵は居なくなった訳だし、ここからはのんびりと探索できるって事だ」
「そうだね、、、あ!」
ウィンディはふと、外で待つ二人の事を思い出した
「マズい!このままだと、外で待つ二人とキオンが鉢合わせちゃう」
「そうだ!忘れてた!」
「早くキオンを追いかけるぞ!」
戦いが終わったばかりだというのに、3人はまた激しく動く事になってしまった。




