プリズン山脈奥地の決闘
突然襲いかかって来たキオンを間一髪で避けた3人は、急いで武器を構え、キオンとの戦いに備えた
「なんや?俺らに勝てるとでも思っとるんか?」
「襲いかかって来るなら、それを迎え撃つまでだ!」
「ラオトを魔王軍に渡したりなんてしない!」
「俺達の底力を見せてやる!」
殺気立つキオンを目の前にした3人だったが、先ほどのラオトの言葉でやる気がみなぎり、誰も逃げるという選択肢は考えていなかった
「そこまで言われたらぁ、僕らも本気を出さないとねぇ」
「、、、戦い来たーー!!」
「十災魔神キオンの力!!お前らに嫌と言うほど思い知らせたるわ!!」
こうして、プリズン山脈奥地に位置するキオンの城内部では、魔王軍の主力、十災魔神のキオンと、別の世界から迷い込んだ少年、そしてその仲間達による一戦が、今、始まった
睨み合いが続く中、先に動いたのはキオンだった。キオンはラオトら3人目掛けて、その巨体では考えられないほどの速度で突進した。少し距離があった為、間一髪で避けれた3人だったが、キオンは即座に突進を止め、ラオトに向けて素早く足を振り下ろした
「あっ」
この攻撃は避けれない、そして魔法も間に合わない事を悟ったラオトは、ただ目を瞑ることしかできなかった。「ドカン!」という大きな音と共に、ラオトの身体中には激痛が走った。
「ぐっ!」
痛みに耐えながらラオトは体を起こし、ひとまず自分の体の様子を見た。幸いにも、爪に引き裂かれたりはしておらず、ただ床に叩きつけられただけだった。しかし、痛みに全く慣れていなかったラオトには、叩きつけられただけの痛みも、簡単に流せるようなものでは無かった。
「ラオト!」
ウィンディとホルスの心配とは裏腹に、キオンはそれ以上ラオトに攻撃は仕掛けなかった。倒れたラオトを背にし、キオンは次のターゲットをウィンディとホルスに定めた。キオンの視線に気がついた二人は、一旦キオンの攻撃を交わす事に専念した
「来るよ!!」
「おう!!」
二人が声を掛け合った直後、キオンは前足を勢いよく地面に突き出した。その瞬間、ウィンディとホルス目掛けて、見慣れた魔法が発動された。
「ドドドドドドドド!!」
大きな音と共に、ウィンディとホルス目掛けて、地面から鋭く尖った大きな岩が何本も突き出して来た。そう、ラオトが使う土魔法だ。しかし、速さも規模もラオトのものとは大きく違った。魔法初心者のラオトが使用する同系統の土魔法は、発動までが遅く、規模も小さかったが、キオンの使用した魔法は、速さも規模もラオトのものより遥かに優れていた。しかし、ラオトのおかげで土魔法に慣れていた二人は、魔法が分かった瞬間に、どこに逃げればいいのかを即座に判断できた。ホルスは持ち前の瞬発力で避け、ウィンディも鎧が少し当たったが、致命傷にはならなかった。
「土魔法も使えるのか、、、しかも、ラオトのよりずっと強力」
「ふん、土属性だけだと思ったか?」
「なんだと?」
キオン(左の顔)
好きな物、パーティー 肉 輝く物
嫌いな物、水 汚れ
職業、魔王軍 十災魔神
得意属性、毒(土)
キオンの左側(キオンから見て)に位置する頭で、
「、、、はい!!」のように、溜めてから大声で話すのが特徴。その喋り方はいつ、いかなる時も止める事はなく、鍛えられた声帯のおかげで、魔王軍内の「熱のこもった返事選手権」では、現在348連覇を記録している。しかし、その大きな声が仇となり、潜伏活動などはほとんど出来ない。
声で敵を威圧する他、毒魔法も使用でき、他の頭とも引けを取らない程の戦闘スキルを持つが、何回も喋り続けていると、すぐに息切れを起こしてしまう。




