守護狼 キオン
キオンの迫力に怯んだ3人は、またもや急いで扉を閉めた。しかし、いつまで経っても部屋に入ってこない3人にキオンは耐えられなくなり、ついに自分の巨体で目の前の扉を蹴破ってしまった
「早よ入って来いやぁぁぁ!!」
「来たぁぁぁぁ!!」
大きな声と共に3人が立っていた通路には、キオンの巨体と共に粉々になった扉のかけらが降り注いだ。勢いよく飛び散るかけらを間一髪で避けた3人だったが、その目の前には通路が塞がる程の巨体が立ち塞がっていた。3人は直ぐに武器を構え戦闘体制に入ったが、敵対心剥き出しの3人とは異なり、キオンはラオト達に攻撃を仕掛けてくる様子はなかった。それどころか、キオンは武器を構えるラオト達に対し、ただただ普通に話しかけてきた
「お前らなぁ!ちょっと俺を待たせすぎや!どんだけ悩んでんねん!」
キオンの真ん中の首がそう話すと、キオンは体をくるりと回し、扉を壊してしまった自分の部屋に戻っていった
「ほら、早よ入って来い」
キオンに部屋に入るように催促された3人は、恐る恐るキオンの居る部屋の中に入って行った
「えっと、、、」
想定外の展開に困惑する3人を置いて、キオンは自分一人で話し始めた
「はぁ、やっと入ってきおったか、もうちょい早よせんか!」
キオンの真ん中の顔が愚痴をこぼしていると、今度はキオンの右の顔が話し始めた
「全くだぜぇ、暇すぎてなぁ、もうちょっとで寝ちまう所だったぜぇ」
右の顔が喋り終わると、次に左の顔がボソッと呟いた
「、、、眠い!!!」
「ああぁぁ!!眠い眠いうるさいんじゃ!武器持ってる奴を目の前にして、よぉそんなに呑気でいられるなぁ!」
「だってさぁ、昨日は他の十災魔神と夜遅くまで会議してたんだよぉ、何で真ん中はそんなに元気なのぉ?」
それに賛同した左の顔も「うんうん」と言わんばかりに静かに頷いた
「殺意マシマシの奴らが目の前におるのに、眠い眠い言ってられる訳ないやろぉぉぉ!!」
その後もキオンの三つの頭での言い争いは続いた。その後、ようやく喧嘩が落ち着き始めた頃を見計らって、ラオトが声をあげた
「おい!俺達がいるのを忘れるなよ」
それに気づいたキオンは、顔同士の言い争いを止め、ようやくラオト達の方向を向いた
「悪いなぁ、今度はアンタらを待たせてしもうた」
「ごめんねぇ」
「、、、ごめん!!!」
「そんじゃ、俺に挑もうっていう勇敢な奴らに向けて、俺らを自己紹介せんとなぁ」
キオンはニヤリと口角を上げると、ラオト達に対し自己紹介を始めた
「俺は守護狼キオン!ここプリズム山脈の魔王領を治める十災魔神や!」
守護狼 キオン
魔王軍の十災魔神の一人で、プリズン山脈の奥地に聳え立つ城、及びその周辺の魔王領の管理を任されている。大きな体と3つある尻尾と顔が特徴的な魔人で、鋭い爪と脚力から繰り出される攻撃の破壊力は凄まじく、また体中に生えている銀色の体毛は、いかなる武器や魔法も通さない、と攻守ともに十災魔神にふさわしい強さを誇る。また三つの頭と体はそれぞれ違う魔法を使え、真ん中の顔は火属性、右の顔は氷属性、左の顔は毒属性、そして体は土属性を使用してくる。
生まれつき三つの頭を持っており、それらの頭はくっついて産まれた別の兄弟のようなものではなく、どちらかと言うとキオン本人の別人格のようなもので、今までに経験した出来事や考え方の些細な違いにより、性格が三通りに分かれた別パターンのキオン自身である。その為、3人でキオンと名乗っており、頭同士が互いを呼び合う時は頭のある位置で呼んでいる。
体が繋がっている影響か、三つの頭の思考は常に共有されており、感性や考え方も全く違う他の頭の思考が常に頭の中を駆け巡っている。そのせいか、他の魔人と会話している際に、会話と全く関係のない、他の頭の思考をうっかり口にしてしまう事がある。
他の十災魔神であるプロクスとは特に仲がいい




