魔力量検査
グリンティアの見慣れない植物を眺めながら歩き、道中ツタで出来た噴水などに寄り道などをしながらも歩き続け、二人は一軒の店の前にやって来た、店の前にある木の枝と葉っぱで出来た看板には、「様々な種類の魔法書、魔道具販売中 魔力量の検査も可」と書かれていた。一見ここまで来る途中に見てきたお店と大差ない見た目をしていたが、その店から漂ってくる異様な雰囲気は、思わずラオトを身震いさせた。
「着いたよ、まずこの魔法店でラオトの魔力量を検査しよう」
そう言うと、ウィンディはドアを開け店の中に入って行き、その後に続き恐る恐るラオトも店に入った。店の中は薄暗く、棚には見たことの無いような様々な本や綺麗な水晶、更には変わった形のアクセサリーが並べられていた。
「おや、お客さんかい、いらっしゃい」
店の品物を手入れしていたおじさんが、手入れしていた道具を置き、こちらを振り向いた。
「ってなんだ、ウィンディじゃん」
そう言うと、おじさんは頭に被っていたローブを下ろした。その瞬間、目の前におじさんの姿はなく、代わりに美しい水色の髪と、尖った耳が特徴的な少女が立っていた。その少女は先程のおじさんとは全く違う、綺麗で透き通った声で話し始めた。
「ウィンディ大丈夫?メレアが行方不明になったって聞いて、心配してだんだよ!!」
少女がそう言うと、ウィンディは嬉しそうに「ありがとう」と返した、その後少女がこちらを見ながらウィンディに質問した
「それで、こんな緊急事態にどうしたの?それと、そっちの人は誰?彼氏?」
それを聞いたウィンディは顔を赤らめ、必死に少女に説明した。
「彼氏!?違う違う!彼は私の、、、新しい仲間なの!」
「へぇー」
ウィンディは一息つき、心の乱れを整えると、話についていけずポカンとしているラオトに、目の前の少女を紹介した。
「ラオト、紹介するね、彼女はエルフのアデル、私の昔の旅仲間なんだ!ちょっとからかってくる所とかあるけれど、魔法に関しての実力は本物だよ」
「えっへん!魔法の知識で、私に敵うものは居ないのよ!」
アデルの紹介に続き、ラオトも自己紹介をした。
「俺の名前はラオト、色々あってウィンディと旅に出る事になったんだ、よろしくな!」
「宜しくラオト君!それでそれで?二人はどうしてここに来たの?それと二人はどこで出会ったの!?」
それを聞いたウィンディは頬を膨らませ、少し怒った表情をした
「もう、ここへは真剣な用事で来たんだよ!」
「真剣な用事、、、もしかして彼氏のお悩み相談かい?」
ウィンディは頬を膨らませたままアデルを見つめる
「あはは!ごめんごめん、ウィンディはからかいがいがあるからついつい、それで、今日はどうしてここに来たの?」
ようやく要件に入れたと、ウィンディはホッとした表情をした
「アデルって魔力量の検査って出来たよね、実はラオトは自分のの魔力量がわからなくて、このままじゃ職業を選べず、旅に出る事も出来ないの」
「魔力量がわからない?随分と珍しいねぇ、まぁ分かったよ、じゃあ早速検査しちゃおう!」
そう言うと、アデルは店の奥から台座を持ってきた。
「ほらほらラオト君、その台座の上に乗って乗って」
そう言うと、アデルはラオトを少し強引に引っ張り、台座の上に乗せた
「よしよし、準備オッケー!少し時間がかかるかもしれないけど、我慢してねー」
そう言うとアデルはラオトの前に立ち、目を瞑り力を込め始めた。その瞬間、ラオトは体中が痛いような、くすぐったいような不思議な感覚に包まれた。あまりのくすぐったさや痛みに耐えきれず、少し体が動きそうになったが、ラオトは必死に我慢した。これがずっと続くのかと絶望していると、アデルが喋り始めた。
「ラオト君、終わったよ!」
その言葉に驚いたウィンディが、見ていた書物をその場に置き、こちらに近づいて来た。
「もう終わったの?随分と早かったね、それで結果は?」
それを聞いたアデルは興味深そうな顔をした。
「なんとなんと!ラオト君の魔力量の最大値は、産まれたての赤ん坊くらい低いね!」
それを聞いたウィンディは思わず驚いた表情になった。ラオトもウィンディに釣られるように、大きくリアクションした。
「産まれたての赤ん坊!?それってどれくらい低いんだ?」
「一番魔力の使用量が少ない魔法でも撃てない位だね、、、」
その言葉を聞き、ラオトは酷く落ち込んだ。
「(魔法が撃てないだと、、、この世界に来てから一番楽しみにしていた事だと言うのに)」
そんなショックが顔に出てしまっているラオトに対し、アデルは魔力量について解説を始めた。
「うーん、普通ならただ生きているだけでも自然に魔力を摂取して、体内の容量が大きくなっていくはずなんだけど、、、まぁでも最悪、魔水晶を使ったり特訓したりすれば容量はどんどん増えていくはずだし、そんなに気にしなくても、あ!」
アデルは何かを思い出したのか、急いで店の奥に行き、キラキラと光る白い水晶を持って帰ってきた。
「そういえば、一個だけ魔水晶があったんだった!」
それを聞いたラオトは、ふと我に返りアデルの方を見た。
「え!?魔水晶?」
「そうそう、前にとある商人に貰ったんだけど、私はもう旅とかしないから、使う予定が無かったんだよねぇ、それに私は昔、ウィンディ達に助けてもらったからね、それの恩返しって事!ウィンディも、君が落ち込んでいるのは嫌みたいだし!」
「もう、最後のはいらないでしょ!、、、でも、ありがとうね、アデル」
そう言われたアデルは照れくさそうに返した。
「いいっていいって、それよりラオト君!早速使ってみたら?」
「本当にいいのか?」
「うん、もちろん」
アデルはニコニコとしながら答えた。
「ありがとうアデル、それじゃあ使わせてもらうぜ、それで、これどうやって使うんだ?」
「胸に当てて力を込めてみて」
アデルに言われた通り、魔水晶を胸に当て、そのまま力を精一杯込めた。その瞬間、魔水晶が消え、体に強烈なエネルギーが入って来るのを感じた。
「どう気分は?」
「なんか、、、不思議な感じだ」
それを聞いたアデルは嬉しそうな表情をした。
「良かった良かった!成功したみたいだね!これで魔力量が人間の成人男性と同じくらいになったよ!君の得意属性は土みたいだし、せっかくなら少し覚えていく?」
「ああ、頼むアデル!」
アデルは静かに頷くと、棚に並んでいた本を数冊持ってきて、ラオトに教え始めた。
それから約1時間後
「よしよし!これで土属性の基礎魔法は教え終わったね」
「ありがとうございます、アデル先生!」
「もう、アデル先生なんて照れるなぁ、それより、ラオト君、ちょっといい?」
アデルは急に真剣な表情になり、ラオトを店の端に連れて行った。そして、そのまま小声で話し始めた。
「ラオト君、私と一つ約束して欲しいの」
「約束?何だ?」
「君には魔水晶もあげたし、土属性の魔法の使い方や便利な使い方も教えた、その力を使ってウィンディを守って欲しいんだ」
「ウィンディを守る?」
「うん、さっきも言ったけど、私、昔彼女達に助けてもらった事があるの、その事について、本当に感謝しているの」
アデルは、先程での緩い雰囲気から一変し、真剣な態度で話し続けた。
「本当なら私が彼女達と一緒に行ければ良かったんだけど、色々理由があってそれは出来ないの、だから、私の代わりにラオト君がウィンディを守ってあげて、メレアに続いてウィンディも行方不明になっちゃうのは私、嫌なの」
そう言い、アデルはこちらを真剣な眼差しで見てきた。
「約束してくれる?」
それを聞いたラオトは、一切の迷いなく答えた。
「ああ、もちろんだ、俺がウィンディを守る」
「ありがとう!」
アデルは深くお辞儀をし、心からラオトに感謝した。
二人の会話が終わり、三人は次の目的地について話し始めた。
「魔王のところに行くんでしょ、ならまずラオト君の装備を整えたらどう?」
「そうだね、じゃあ次は防具を整えに行こっか」
目的地が決まり、ウィンディとラオトは出発しようと、店のドアの前に移動した。そんな二人を、アデルは見送りに来たのだった。
「二人とも、長い旅になると思うけど、頑張ってね!」
「もちろん!アデルも元気でね!」
「ラオト君、ちゃんと約束守ってね!」
「ああ、絶対に守るよ!」
そう言い残し、二人は店を後にした。しかし店を出た瞬間、目の前に鎧を来た屈強な二人の兵士が立っていた
「え、」
「え、」
アデル
好きな物、魔法関係の小道具 人をからかったときの反応
嫌いな物、規則 うるさい場所
職業 店主
得意属性 草
魔力の容量が非常に高いエルフ族の少女、幼い見た目をしているが既に500歳を超えているため、見た目によらない卓越した知識と協力な魔法を使い方ができる。昔、ウィンディとメレアの二人に助けてもらった過去があり、二人のことをとても尊敬している。とある理由から素顔を出すことが出来ないため、普段は変装して、魔法店を営んでいる




