防衛戦線アレス
「相手が悪かったな」
「、、、何の事でしょうか」
敵を倒しながら町を徘徊していたアレスは、グラフィキィリの兵士に紛れる、ごく普通の兵士に目を付けていた。
「アレス様?コイツがどうかしたのですか?」
「その者から、感じる筈のない気配を感じてな」
「えっ?」
その瞬間、アレスは謎の黒い空間へと飛ばされたのだった。そして、アレスの前には先程の怪しい兵士が立っていた。
「まさか私の魔法を見破るとは、、、やはりあの悪魔の言う事は信用なりませんね」
「そうだな、奴は我々を見縊り過ぎだ」
来ていた装備を脱ぎ捨てた兵士は、いつの間にか奇妙な服装の人物へと変わっていた。
「ですがこの状況は好機ぃ、、、足止めさせてもらいますよぉ」
「足止めか、元より我に勝つ気はないのだな」
「当たり前ぇ、、、私はあの悪魔より愚かではありませんからねぇ」
「では、我もさっさと貴様を倒して、この幻覚から抜け出すとしよう。兵士達は逃げるといい」
その言葉を言うと、辺りは慌しい足音に包まれた。そして足音が完全に聞こえなくなった後、アレスは男に攻撃を開始したのだった。
「ゆけっ」
アレスは男に光弾を放った、しかし、その攻撃は男の杖に吸い込まれるように消えてしまった。
「ほう、中々面白い道具を持っているようだな」
「えぇえぇ、興味ありますかぁ?」
「興味はあるな」
「ではねぇ、面白い物を見せてあげましょうかぁ?」
そう言うと、その男はアレスに杖を向けた。すると、杖から先程の光弾が現れ、アレスへ飛んできたのだった。その光弾を自身の光弾で相殺したアレスは、その男の武器の特徴を悟ったのだった。
「なるほど、、、我の攻撃を奪っているのか」
「そうですねぇ、、、貴方の攻撃を吸収しぃ、そのまま撃ち返しているのですぅ」
「そうか、、、それより、貴様は杖の秘密を話して良いのか?」
「相手の心配とはお優しいぃ、、、しかしぃ、これは戦略でもあるのですよぉ、貴方なら分かりますよねぇ?」
「あぁ、実体のある武器を持たず、全ての攻撃を魔法に頼っている我では、貴様を倒す事はできないのだろう?」
「そうですねぇ、、、かといって私も貴方を倒せるとは思わないのでぇ、、、ここは雑談でもしませんかぁ?」
「雑談か、、、なんとも呑気なものだな」
「私ぃ、話術には自信があるのですよぉ?」
「、、、良いだろう、何か話を聞かせてみると良い」
「ではぁ、、、あれは私が町を放浪していた頃ぉ」
それからしばらくの間、アレスは戦闘の音を聞きながら、男と雑談をしていたのだった。
「ほう、ヴェルンドで学んだのか。我も行ってきたぞ」
「えぇえぇ、あそこの鍛造技術は素晴らしいですねぇ、おかげで貴方を止められる杖を作れましたからぁ、ほらこのようにぃ」
「、、、なるほどな」
アレスは話の最中に何度か不意打ちを仕掛けたのだが、その攻撃はどれも杖に吸収されてしまった。そして、結局倒す事を諦めたアレスは、男との雑談に集中する事にしたのだった。
「天使ってぇ、なぜあそこまで扱いやすいのでしょうかねぇ?」
「そうだな、我の仲間の堕天使も中々扱いやすいしな」
「ですよねぇ、私達の元にも天使が居るのですがぁ、ソイツも扱いやすくて助かってるんですよぉ」
「、、、そういえば、貴様達は何を目指しているのだ?かなりの人数を集めているようだが」
「気になりますぅ?教えてもよろしいのですがぁ、聞いたからには我々の元に入ってもらいますよぉ?」
「では断ろう、我も今の旅を手放すつもりはないからな」
「、、、では、今の旅が終わったらぁ、来てくれますかぁ?」
「終わったらか、、、考えておこう」
「そうですかぁ、、、しかしぃ、終わりは案外すぐやって来るかもしれませんよぉ?貴方が私と話している内に、、、とかぁ?」
「そうなったら困るな、まぁ、そんな事は起こらないがな」
「、、、どうでしょう、全てはあの少年しだいですねぇ」
その後も二人は雑談を続けていったのだった。




