防衛戦線スティア
グラフィキィリ内へ侵入した敵兵を倒すべく奮闘していたスティアは、不幸にも強そうな者と出会ってしまっていた。
「はぁ、、、私はなんて不幸なんでしょう、アイツだけでもお腹いっぱいなのに、まさか別の悪魔とも会ってしまうなんて、、、」
「天使ですか、、、」
スティアが対峙していたのは、一回目の襲撃の際にアレスと戦っていた悪魔であった。
「、、、そうだ!ここは一旦見なかった事にして、お互い別の人と戦わないは」
「良い考えですね、では、私はこれで、、、」
そう言うと、その悪魔はスティアに背を向けて歩いて行ってしまった。
「へぇー、聞き訳が良いじゃん。アイツも今の悪魔くらいチョロ、、、お利口だったら良かったのに」
そう言って来た道を戻ろうとするスティアに、背後から突然、あの悪魔が襲って来たのだった。
「ちょっ!」
間一髪で短刀の攻撃を避けたスティアは、そのまま転がるように悪魔から距離を取り、急いで戦闘の体制になったのだった。
「ちょっと!別のところに行くんじゃなかったの!」
「いえ、、、ついでにあなたを倒しておこうと思いまして」
「ほんと、悪魔って卑怯者しか居ない訳?」
「卑怯?これは戦略ですよ」
そう言うと、その悪魔は何の合図もなしに攻撃を始めたのだった。光弾をスティアの背後から接近させたり、スティアの足元の地面から闇魔法の刃を出したり、分身を使って錯乱させて来たりと、その悪魔はトリッキーな技の数々でスティアを攻撃していった。しかし、肝心のスティアは、どこか物足りない表情をしていた。
「アンタと戦ってると疲れるんだけど!」
「そうですか、私は疲れていませんよ」
「そう言う意味じゃなくて、もっと楽しい戦いにしてよ!アイツは手を変え品を変えで面白かったよ!」
「、、、強がりでしょうか?残念ですが、私に挑発は効きませんよ?」
「挑発じゃなくて、、、アンタ、他に戦い方はないの?」
「、、、」
「言っとくけど、こんなんじゃ私は倒せないよ?」
「、、、強がりですね、でないと、私にこれ程までに押されません」
「あぁ、これは私がアンタを試してるだけだよ?」
「、、、は?」
「アイツくらいの強さを期待していたけど、、、やっぱ中々居ないんだね」
「、、、ふざけるな!!!」
ついに堪忍袋の尾が切れた悪魔は、先程までの落ち着きようからは考えられない程に声を荒げたのだった。
「私がアイツより弱いだと?私がどれほどの天使を降して来たのか分かっているのか!?私はお前一人降せないアイツとは違うのだ!!」
「、、、なるほどねぇ、だから不意打ちばっか使うんだ。天使は優しいから、不意打ちが良く通るっていう常識が根付いちゃってるんだね。でも、残念」
そう言うと、スティアは悪魔の背後に剣を作り出し、そのまま悪魔に突き刺したのだった。
「グハッ、、、」
「私、悪魔にも負けない卑怯者なんだよね。それに、卑怯者の対応には慣れてるの」
「お前、、、覚えていろ、、、」
そう言うと、その悪魔は町の外へと逃げて行ってしまった。
「、、、えっ?今のが幹部?嘘でしょ?」
戸惑っているスティアの元に、先程の戦いを見ていた兵士が近づいて来たのだった。
「スティア様!お見事でございました!まさかあの天使狩りを倒してしまうとは!」
「天使狩り?」
「えぇ、今の悪魔は狡猾な話術と卑怯な手段で天使を一方的に狩ってきたという有名な賊なのです」
「まぁ確かに、他の天使達は優しいし、攻撃を受ける事がほとんどないから、不意打ちは油断しちゃうよね、、、えっ!?つまり、アイツは同族の仇って事!?」
「、、、そうなるかもですね」
「アイツ!!!逃がさなきゃ良かった!!!」
「ま、まぁまぁ、、、それよりスティア様」
「何?」
「今町の外が大変な事になっているようでして、援軍が必要かも、、、との事です」
「そうなの?じゃあ私行くよ」
「ありがとうございます!では、行きましょう!」
天使狩りを倒したスティアは、大変な事になっていると噂される町の外へと向かっていったのだった。




