防衛戦線ケラヴノス 後
ケラヴノスと天使の戦いは、非常に高速で移動しながら行われた。
「えいっ!えいっ!えいっ!」
天使は接近するケラヴノスから距離をとるように飛行し、近づいてくるケラヴノスに向かって矢を放ち続けた。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
そして、ケラヴノスは放たれた矢を雷を纏った翼で切り裂きながら、猛スピードで天使を追いかけ続けたのだった。
「えいっ!えいっ!えいっ!」
「ハッ!ハッ!ハッ!」
「えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!」
「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ」
体力が尽きる様子のない相手を見て、先に戦い方を変えたのは天使の方だった
「流石は鳥さんですね、、、では、やり方を変えましょう!」
そういうと、天使は自分の周りに6つの弓を作り出し、自身の攻撃と同時に矢を放たせたのだった。その弓から放たれた矢は天使自身が放つ矢よりも遥かに早く、天使自身が放つ矢の攻撃と相まって、ケラヴノスの攻撃のタイミングがずらされてしまった。
「おっと、、、今のは少々危なかったな」
「やったぁ!この調子でいきましょう!」
そう言うと天使は次々に弓を増やしていき、いつのまにか弓は数え切れないほどに増えていた。その弓から放たれる雨の如き矢には、流石のケラヴノスも防戦一方となっていた。
「くっ、、、近づく隙がないな」
「いけいけー!」
戦場を飛び回っていた二人は、矢と矢の残骸を撒き散らしながら移動し続け、気づいた時にはヴァマイ達が戦っている場所の近くまでやって来ていた。
「うわー、、、暑い風が巻き上がってくる、、、」
「、、、むっ?なんだ?」
炎の海の上空を飛ぶケラヴノスは、煙の中を通過する際、謎のエネルギーを感じたのだった。
「これは、、、雷か?」
戦闘による砂埃、そして炎による上昇気流によって、辺りの空には静電気、もとい雷属性のエネルギーが満ちていたのだった。
「、、、これはチャンスだ」
ケラヴノスは飛び方を変え、羽を大きく広げて雷エネルギーを吸収し始めたのだった。しかし、この飛び方では矢を斬る事はできない為、ケラヴノスは矢を避けるのに専念し始めた。
「鳥さんどうしたの?疲れちゃったかなぁ、、、いや、これはチャンス!」
天使も避けに専念し始めたケラヴノスを見て、弓の量を更に増やしたのだった。その矢を避け続けるケラヴノスには、流石に少し疲れが見え始めていた。
「クッ、、、このままでは体力がもたない、、、何か、一度に大量の魔力を摂取できる手段があれば、、、」
その時、ケラヴノスは近くに強大な雷の気配を感じ取った。
「これだ!」
ケラヴノスは天使を誘導し、急いで雷の気配のする方角へと近寄った。
「ドカーーーン!!!」
ちょうど雷エネルギーの中心を通り過ぎた時、ケラヴノスの背後に特大の雷が落ちたのだった。ケラヴノスは雷から迸る稲妻を吸収し、そのありったけのエネルギーを翼へと込めた。
「くらえっ!!!!!」
ケラヴノスが思い切り翼を羽ばたかせると、翼に溜まっていたエネルギーが雷の斬撃となり、天使目掛けて飛んでいった。
「きゃっ!!!」
天使はギリギリのところで攻撃をかわしたものの、背後に浮いていた数百の光の弓は、雷の斬撃に巻き込まれて消えてしまった。
「今だっ!!!」
天使が怯んでいる隙に、ケラヴノスは天使に急接近し、雷をまとった翼で切り裂いたのだった。
「あっ、、、」




