防衛戦線ヴァマイ 後
ヴァマイの攻撃による地割れと、ヴァズモスの火属性魔法による炎によって、二人が戦う付近は、まさに地獄のような光景となっていた。一応、敵と味方の兵士達は事前に逃げていた為、死体が転がる本当の地獄にはならなかったが、地面が荒れ果て、草木が燃え尽きたその光景は、まさに地獄と言って差し支えないものとなっていた。そんな激しい戦いを繰り広げる中、先に疲れを見せたのはヴァズモスの方だった。
「フン!魔法などに感けているから、お前はいつまで経っても俺様に勝てないんだ!」
「力で勝てないのは分かっている、、、だから、俺は魔法という補助を使うんだ!」
「俺様達の体に魔法は合わないというのは常識だ。お前はわざわざ弱くなりにいってるんだよ」
「黙れ!!」
ヴァズモスはヴァマイに炎弾を放ったが、その威力はかなり小さなものとなっていた。
「ほら見ろ、もう魔力切れだ。今なら一発殴るのと説教だけで許してやるから、潔く俺様に降参する事だな。そして、ギンガスでまた俺様達と暮らそうぜ」
「だ、誰が、、、お前達なんかと暮らすか!!!」
絶叫したヴァズモスはローブから巨大な赤い魔水晶を取り出すと、それを勢いよく胸に押し当てたのだった。すると、魔水晶はみるみる消えていき、ヴァズモスの体には魔力で溢れかえった。
「俺は、、、兄貴に勝ってやるよ」
そう言うとヴァズモスは杖を上下逆さまにし、黄色い水晶が上に来るように杖を持ち直した。そして、そのまま杖をヴァマイに向けたのだった。その瞬間、天からヴァマイ目掛けて特大の雷が落ちたのだった。
「ドカーーーン!!!」
雷はヴァマイの体を包み込み、さらに付近の上空に小さな雷を撒き散らした。
「、、、」
流石にヴァマイを倒したと思っていたヴァズモスだったが、すぐにその安堵は絶望へと変わったのだった。
「、、、嘘だ、、、ありえない」
「お前、は、、、俺を、、、舐めすぎだ」
雷に打たれたヴァマイは、真っ黒になりながらも意識を保ち続けていた。そして、理解が追いついていない様子のヴァズモスに金棒の一撃を叩き込んだ。
「グハッ、、、」
金棒で腹を殴られたヴァズモスは、遠くへと吹き飛ばされた。
「俺は、、、お前の兄貴だ。弟に負ける兄なんて、居ねぇんだよ」
「ク、クソッ、、、」
ヴァズモスは殴られた腹を押さえながら、ヨロヨロと立ち上がった。
「なんだ、、、まだやんのか?」
「それは、、、こっちのセリフだ」
満身創痍になった兄弟による命懸けの第二回戦が、今始まろうとしていた。




