防衛戦線ヴァマイ 前
ヴァマイ率いる巨人族の兵士達は、その巨体を生かした豪快な物理攻撃で敵の兵士を次々とまとめて倒していったのだった。しかし、敵方もただやられているだけではなかった。
「放て!」
敵は重戦士達で巨人の攻撃を受け止め、その隙に魔法使い達が巨人を攻撃するという、簡易的な陣のようなものを形成して巨人族に攻撃を行っていた。
「チッ、、、遠くからチマチマよぉ、、、」
「お邪魔します!」
そんな敵方の陣に苦戦していた巨人族を救ったのは、ケラヴノス率いる鳥人族の兵士だった。鳥人達は猛スピードで巨人達に攻撃する魔法使い達の元まで接近し、すれ違いざまに羽で魔法使い達の体を切り裂いたのだった。
「、、、なかなかやるじゃねえか」
「私達雷鳥は主力の支援が大の得意ですからね」
「そうかよ。そんじゃ、そのまま俺達の邪魔にならないようにしろよ!」
「はい!」
巨人達と鳥人達の連携によって敵方はみるみるうちに減っていき、同時に最初程の勢いも無くなってきていた。
「どうした!お前らはそんなものなのか!」
その瞬間、戦場で敵を威圧しているヴァマイに巨大な火炎弾が放たれた。
「何!?」
突然の事に取り乱したヴァマイだったが、すぐに体勢を整え、体で豪快に火炎弾を受け止めたのだった。
「今のはどいつが放った!出てきやがれ臆病者!」
その声に反応するように、遠くから大きな杖を持った巨人が近づいてきたのだった。
「、、、久しぶりだな、兄貴」
「お、お前!」
先程の巨大な火炎弾を放ったと名乗り出てきたのは、ヴァマイにはよく見知った人物だった。
「ヴァズモス!お前どこに居たんだ!!」
「ちょっとした修行にね」
「修行だと、、、お前、その手に持ってる物はなんだ」
「杖だよ」
「、、、何を修業した」
「この人達と、魔法をね」
その言葉を聞いたヴァマイは、手に持っていた金棒を力の限り地面に叩きつけた。
「貴様!!!こんな賊共に付くばかりか、ギンガスの掟に背いて魔法なんかを学習していたのか!!!」
「賊などでは無い!!!この方達は、、、」
ヴァズモスは必死に事情を説明しようとしたが、激怒したヴァマイは一切聞こうとしなかった。それどころか、ヴァマイは金棒でヴァズモスに殴りかかったのだった。
「ドカーーーン」
ヴァズモスは間一髪でヴァマイの攻撃をかわし、それと同時に杖をヴァマイの方に向けたのだった。
「ほう?兄に杖を向けるのか?」
「、、、」
「いいだろう、お前はこの俺が叩きのめしてやる!鳥人共は邪魔するんじゃねぇぞ!」
こうして、グラフィキィリの東部では巨人族の兄弟による決闘が始まったのだった。




