警備
町の中を担当するラオト達に対し、外を警備する事になったスティア、アレス、ペディの三人は連れている一万の兵士を町の周囲に散らばせ、辺りに不審な者が居ないかどうか、襲撃の為の拠点や準備の後が無いかどうかを探し回っていた。
「どう、そっちは何かあった?」
町の北、南東、南西に散らばる三人は、兵士の持っている連絡用の魔水晶で連絡を取り合っていた。
「いーや、何もないね」
「、、、」
「アレス、どうしたの?何かあった?」
「我は不審な者を見たな、ただ、敵意はないようだ」
「それってただの冒険者じゃないの?もう、もっと重要な情報だけを言いなさいよ!」
「、、、それで、アレスはその不審な人物をどうしたい?そっちの方面は任せてるから、自由に処理しちゃって良いけど」
「物陰からこちらをチラチラと見ているようだ、我の感情の感知がなければ気が付かなかったな。まぁ、思考的にも、こちらに敵対する可能性はないに等しいと思われる為、我は放置する。堕天使の言う通り、物好きな冒険者かも知れぬからな」
「分かった、報告ありがと」
「、、、しかし、あの者から感じる気配、どこかで感じた事があるような気が」
「ちょっと、何怖い事言ってんの!本当はアイツらの仲間なんじゃないの!?」
「いや、そうではない。それとは別の気配だ」
「誰だろう。じゃあアレスはさぁ、その不審な人物を調べておいてくれない?万が一があったら怖いし」
「良いだろう」
そう言い残すと、アレスの姿が魔水晶から消えたのだった。
「はぁ、アイツったら、優秀アピールしたいだけなんじゃないの?」
「いや、流石にそんな事はしないでしょ。自分の見栄のために仲間に誤った情報を流すなんて、人としてやばいし」
「、、、そ、そうだね、ははは」
「うん?どうしたの?図星だった?」
「違うし!私はそんな事はしないし!ちょっっっとだけ心当たりがあっただけだし!」
「はぁ、、、そんなんじゃ、いつか仲間達が危険な目に遭う事になるよ」
「、、、確かに、あの悪魔以外が危険な目に遭うのは嫌だなぁ。あの悪魔にはもっと危険な目に遭ってほしいけど」
「こら、一応仲間なんだから、もっとアレスの事も大切にしなよ」
「、、、くっ、こんなチビっ子に説教される日がくるなんて、、、屈辱」
「屈辱って何!?私これでもこの町の指揮官なんだけど!今のはグラフィキィリの指揮官様の有り難いお言葉なんだよ!」
「いやぁ、、、こんなおチビちゃんに言われてもねぇ」
「ふん!十数年後、私が立派なレディになったら、アンタに頭脳だけでなく見た目でも勝って、絶対に見返してやるんだから!」
「天使一の美貌と謳われた私を超えられる日は来るかしらね!まっ、せいぜい楽しみにまってるよ」
「今に見ときなさい!子供の成長は恐ろしいんだからね!」
それからしばらくの間、スティアとペディによる女の戦いは続いたのだった。




