役割分担
ペディ、スティア、アレス、そしてフェルサ、ラオト、ウィンディ、ホルスの七人は、町を駆け回りながら兵士を集め続けた。そして、見張り以外の兵士を集め終えた七人は町で1番大きな広場へと集まり、集めた兵士達を整列させていた。
「町全体に散らばってたから分からなかったけど、こうやって見たらかなりいるんだね」
「大体ニ万人はいるよ」
「持っている武器の種類が豊富だな、一体何種類を使っているんだ?」
「百種類は超えています、まぁ、見た目が違うだけで、中身は似ているものが多いのですが」
「ふふん!個性があって良いでしょ!他の町には真似できないね!」
「さて、お喋りはこのくらいにして、そろそろ行動を開始しましょうか」
「それじゃ、そっちは左半分の一万人を連れてって、私達はもう半分を連れていくから」
「承知しました」
そうして、広場に集まる兵士を分配したペディ達は、一万人の兵士を連れて町の外へと向かって行った。そして、フェルサ達は残りの一万の兵士達に指示を出したのだった。
「襲撃の第二波が三日後に来ます、皆さんには、それまでに町の被害確認と住民の方々の避難誘導、そして、市街戦に備えての簡易的な防衛設備の建築をお願いしたいです。現場での指示については、それぞれの隊のリーダー及び、こちらのラオト様、ウィンディ様、ホルス様に指示していただきます。特に、防衛設備の建築に関してはラオト様が得意としているようですので、設計や構築などはラオト様にお聞きください」
「は、はい、任せてください」
「では皆様、行動を開始しましょう」
「おー!!!」
指示を受け取った兵士達は、一斉に町のあちこちへと散らばっていった。
「それでは皆様も町の各地に散らばり、兵士達への指示の方、よろしくお願いします。あっ、ラオト様は私とご同行をお願いしたいです」
「えっ?なんでだ?」
「防衛施設の建築に必要な材料がありましたら私の方で用意いたしますので、その為です」
「おぉ、ありがとうな(うーん、こっちの世界の素材はあまり分からないんだよなぁ)」
「では皆様、行きましょうか」
そうして、ラオト達は三方向に分かれて、町へと散らばっていったのだった。
「、、、」
壊された町の建物を見るフェルサの顔は、誰が見ても分かるほどに虚な顔をしていた。
「えっと、どうしたんですか?」
「、、、いえ、この建物達を直すとなると、果たしていくらお金がかかる事か考えていまして、、、はは」
「町全体がこの規模の被害を受けてるとなると、大体数億以上、、、」
「ひぃぃぃぃ!!!」
フェルサの口から、とても情けない悲鳴が漏れた。
「私、目の前が真っ暗になりそうです、、、いや、目の前が真っ暗になれば、被害状況や被害額を目にせずに済みますね、、、」
「えっ?」
「冗談ですよ。ちなみに、町長から聞いたのですが、ラオト様は経営業や開発などが得意なのですよね、それはお父様の影響なのだとか」
「あぁ、お父さんが小規模な会社の社長だからな」
「社長?」
「組織の代表みたいなものだ」
「なるほど、だから被害額の計算なども得意なのですね」
「まぁ一応な。材料の発注とか、そういう金銭関係の事もやった事あるから、なんとなくの金銭感覚はあるのかもな」
「私は経理しかできませんので、ラオト様のように経理と開発もできるのは羨ましいです」
「いや、俺の場合はどっちも中途半端なんだよな」
「そんな事ないですよ。それにラオト様は冒険者、町に引きこもっている私とは違って、様々な事を経験して成長できますよ、まだまだこれからです」
「、、、まぁ、そうかもな」
「えぇ、今回の設備の建築も良い経験になると思いませんか?」
「確かな」
「そうです、という事で、頑張ってくださいね」
「、、、うん?なんか良い事風に話してるけど、それって俺に丸投げしてるだけじゃ、、、」
「ナンノコトデスカネ?ワタシニハワカリマセン」
「あっ!ちょっと!」
早足で逃げて行くフェルサを、ラオトは追いかけていったのだった。
被害額
ラオトは「大体数億以上」と言っているが、これは町の被害がまぁまぁ軽微で、そこから更に小さく見積もってこのくらいという金額である。グラフィキィリを始め、この世界の町は科学の世界の市ほどの大きさがある為、町全体がダメージを負っていた場合は、金額はもっと膨れ上がる事になるだろう。




