一騎打ち
先に建物を出たアレスとスティアは、町を徘徊しながら、見つけ次第に青い装備の者を制圧していった。そんな中、アレスはグラフィキィリの東側にある広場にて、奇妙な模様の入ったローブを着用した人物と相対していた。そして、その者の放つ気配は、アレスがよく知っているものだった。
「おやおや、まさか悪魔族からも賊に転落する者が出てしまうとは、我は悲しいぞ」
「、、、行動だけで賊と決めつけるのは良くないと思いますよ、アレスさん」
そう、アレスの目の前に居る人物が放つ気配は、まさしく自分と同じ悪魔族のものだったのだ。
「おや、我の名を知っているのだな」
「当たり前ですよ、貴方を知らない悪魔などいませんからね。だからこそ残念です、貴方のような素晴らしい悪魔が、危険人物に加担してしまうなんて」
「、、、何の事だかさっぱりだな。それに、危険人物に加担しているのは貴様の方ではないか?一体誰に唆されて、こんな野蛮な事をしているのだ」
「、、、私が正しいと思う者に従う、ただそれだけの事ですよ」
「そうか、では我が悪魔族の先輩として、貴様の間違った考え方を正してやろう。貴様のような力での解決は、さらに強い力を持つ者に何もできないとな!」
「、、、お手合わせ、よろしくお願いします」
こうして、グラフィキィリの東側の広場で悪魔族同士の戦闘が起こっていた頃、別の地点でも戦闘が起ころうとしていた。
「、、、」
「、、、」
ウィンディと青い鎧を着た人物は、道の真ん中で向かい合っていた。
「君達は、なんで町を襲うの?」
「、、、」
「町を襲っても良い事はないよ。腕に自信があるなら、魔獣討伐で賞金をもらった方が楽じゃない?」
「、、、」
ウィンディの投げかけに対し、鎧の人物は終始無言を貫いていた。鎧で顔見えなかった為、ウィンディは相手が何を考えているのかを読み取れなかった。
「、、、まぁ、町を襲うなら、私達は黙ってないよ」
そう言うと、ウィンディは剣を鎧の人物に向けたのだった。
「さっ、剣士同時なら剣術で決着をつけよ」
鎧の人物は静かに頷くと、腰に携えていた剣を抜き、ウィンディと同様に構えたのだった。こうして、グラフィキィリの南側の道では、剣士同士の一騎打ちが行われていた。




