不審な動き
「、、、」
ウィンディとアレスと別れたタルロスは、町外れの城壁付近へとやって来ていた。
「、、、そうだな、私は元々この為にグラフィキィリへやって来たのだ。彼らと接触し、愛着を持ってしまうのが間違いだった」
そう言うと、タルロスは魔法で監視の兵士を拘束した。
「な、なに!?貴様!」
暴れる兵士を前に、タルロスは指を鳴らした。すると、どこからともなく青いロープを纏った人物が現れた。
「計画を実行する、即座に皆を集結させろ」
「承知しました、、、ヒヒッ、貴方様が躊躇しなくてよかったですよぉ、、、」
「、、、」
タルロスはその男の話を無視しながら、その男に一つの小さな水晶玉を手渡した。水晶玉を受け取った男はその水晶玉を凝視し、その次に自分の耳に当てたのだった。その後、水晶玉をタルロスに返した男は、身動きの取れない兵士の鎧や服を奪い始めたのだった。そして、奪った服や鎧を着用した男は、いつのまにか拘束された兵士と全く同じ顔になっていた。
「準備完了です」
「、、、なんだと」
顔や服装が兵士と同じになった男は、なんと声や喋り方までも兵士と同じになっていた。その自分がもう一人いるかのような光景に、兵士は絶句していた。
「全てが終わったら解放する、それまでは静かにしていてもらおう」
そう言うと、タルロスは兵士の体に魔法陣を刻み込んだ。そして、暴れる兵士を近くの空き部屋へと隠したのだった。
「では、私達は行きましょうか。幸い、今は兵士達が手薄なようですし」
「、、、あぁ、そうだな」
そう言うと、変装した男とタルロスは城壁の内部へと入って行ったのだった。そして、ちょうどその頃、ラオト達がグラフィキィリへと帰還していた。
「ふぅ、、、やっと帰ってきた、、、疲れた」
「疲れた?こんなの散歩と変わらないよ」
「君達は元気すぎるんだよ、、、もっとおじさんの気持ちも考えて」
「おじさんって、、、アンタまだ二十代でしょ、ただの体力不足だよ」
「二十代?俺と同じくらいだと思ってた、、、」
「まぁ、顔が幼稚だもんね。だからいつも外交で舐められるんだよ」
「顔で舐められようと、外交術で後悔させてやるのさ、、、キリッ」
そんな事を話しているラオト達の元に、一人の兵士がやって来たのだった。
「ラオト様、町長様がお呼びです」
「おぉ、結構早かったな。二人共、俺ちょっと行くな」
「はーい、またね」
「また話したい事があったら、あのカフェに来てね」
「ありがとうなイレモス、二人共またな!」
二人に別れを告げたラオトは、フミフサのいるテープ代のような建物を目指して歩いて行ったのだった。




