傾聴
タルロスを探してしばらく町を歩いていると、町外れの小さな広場でタルロスを見つけたのだった。そのタルロスの前には子供を含めた数人の観客が集まっており、観客達は静かにタルロスの話を聞いていたのだった。
「おや、二人も私の話に興味があるのかい?」
ウィンディとアレスに気づいたタルロスは話を止め、二人に優しく声をかけたのだった。
「何を話してるの?」
「私の知る魔法の知識や歴史を話していたのだ」
「そう!おじちゃんの話面白いんだよ!」
タルロスの話を聞いていた一人の少年が、顔をきらめかせながらウィンディとアレスへと近寄って来たのだった。
「昔の魔法の使われ方とか!魔法の歴史とか!本当に面白いんだよ!魔法がますます好きになっちゃう!」
「ほう、そんなに面白い話をしていたのか、我も聞きたかったではないか」
「すまないね、元々この少年に魔法の知識を教えていただけなのだが、自然と他の観客も集まって来てしまってね。嬉しくてそのまま話続けてしまったよ」
「なるほど、では、我々も新たな観客となって良いな?」
「勿論だ、私の知る魔法の素晴らしさを話してあげよう」
その後、ウィンディとアレスは他の観客の中に混ざり、タルロスの話を静かに聞いたのだった。タルロスの話は魔法の歴史や知識の他にも、昔に起きた魔法関連の面白い出来事や雑学、先人達の知恵が詰まった進化方法など、少年の言っていた通り、確かに面白い内容となっていた。また、それらの話を実に堂々と話すタルロスの姿から、それらの話が嘘や作り話でない事も感じ、そして何より、この話をしているタルロスは楽しそうだった。
それから数十分後、少年の迎えが来ると同時にタルロスの話も終わったのだった。
「おじちゃんバイバイ!」
「ちょっと待ってくれ」
タルロスは少年を引き留めると、少年にバッチを渡したのだった。
「私の話を最後まで聞いてくれてありがとう、君はきっと良い魔法使いになれるだろう、これは私からのお守りだ」
「ありがとう!」
バッチを貰った少年は嬉しそうにスキップしながら、親と共に家へと帰っていったのだった。
「あの歳でこれ程までに魔法に興味を持っているとは、只者ではないな」
「そうだね、ああいう子がいつか大魔法使いになるんだろうね」
「あぁ、、、彼のような者が、魔法の歴史を紡いでいくのだ」




