異世界人の子孫
「やぁ、君の事はパドラさんから聞いているよ。どうだい、この町の景色を見て、何か感じたかな」
「あぁ、なんか懐かしい物がちらほらと」
「そうそう、ちなみに、共通点は何か分かる?」
「あっちの世界の文房具か?」
「正解!いやー本物だ!君に会えて嬉しいよ!異世界人に会えたのは祖先以来だ!」
「先代?」
「この町を設計した僕の祖先だよ」
「設計したって、、、もしかして!」
「そう!僕の祖先は君と同じ異世界人なんだ!」
「おぉ!やっぱそうなのか!」
ラオトは自分と同じ異世界からやって来た者の子孫と会えた事による嬉しさを感じると同時に、フェアリウムでパドラに言われた事を思い出したのだった。
「(なるほど、パドラさんが町長と話せば良い案が思い浮かぶって言ってたのは、町長が異世界人の子孫だからって事なのか。確かに、この人なら他の異世界人の情報とか技術とかを知ってそうだな)」
「おっと、自己紹介が遅れたね、僕の名前はフミフサ、祖先が創り上げたこの町グラフィキィリの八代目町長をしているよ」
「俺はラオト、よろしくな」
「よろしく!ラオト君!それでさ、僕は君に聞きたい事があるんだ!」
「なんだ?」
「異世界ってどんな世界なの!?祖先の情報によると魔法が無いらしいね!」
「そうだな」
「どうやって生活してるの?魔法が無い世界なんて考えられないよ!」
「あぁ、魔法の代わりに、、、うーん、科学?ってのを使ってるんだ」
「科学?科学って何?」
「うーん、、、難しいな、ざっと言えば、ありとあらゆる事象を解明して、それらの情報を元に発展していくって感じか?」
「???」
「ありとあらゆる物事を試しまくって、それから得られた情報で技術を進歩させていくんだ。水や火、風みたいな自然現象からエネルギーを作り出せる事を発見し、そのエネルギーを使って生活を豊かにするんだ」
「難しいね、、、」
「本当だよ、あっちの世界にも魔法っていう考え方はあるんだけど、みんな喉から手が出るほど欲しがってるんだ。簡単に事象を起こせるからな」
「へぇ、祖先の故郷も大変だね。いつか行ってみたいなぁ」
「そこでなんだが、、、」
ラオトは、自分が元の世界へ帰りたい事、そして、その為の手掛かりを探している事をフミフサに伝えた。
「確かに、異世界からやって来たなら、こっちから異世界へ行く事もできそうだね」
「そう、俺はその為の手掛かりを探しているんだが、フミフサの祖先がこの世界にやって来た時の情報とかないか?」
「あー、もしかしたらあるかも。分かった、探しておくよ、ちょっと時間が掛かるから、ラオト君は町を満喫してきな」
「ありがとうな、じゃあ行ってくる」
「うん、何か見つかったら連絡するね」
その後、フミフサと別れたラオトは意気揚々と町へと繰り出したのだった。




